ニーベルングの指環 (漫画)

ニーベルングの指環

概要

松本零士による『ニーベルングの指環』は、リヒャルト・ワーグナーの壮大な楽劇を元にした漫画作品です。この作品はキャプテンハーロックを中心に展開され、宇宙を舞台にした冒険譚となっています。1990年から1991年まで新潮社の『中古車ファン』で連載され、その後はWEBマガジン『Web新潮』にて1997年から連載が再開されましたが、途中で中断されました。読者からの感想や応援も取り入れた独自の連載形式が特徴的です。

物語

第一部: ラインの黄金

物語は、宇宙で力を持つ指輪の材料である「ラインの黄金」をニーベルングの首領アルベリッヒが奪うところから始まります。彼は黄金の指輪を手にし、支配者ヴォータンの運営するワルハラへの侵攻を開始します。これに警戒したミーメの助言によって、ハーロックとトチローはアルカディア号でワルハラへと向かうのです。

第二部: ワルキューレ

ヴォータンは、時を超える力を駆使してワルハラを襲う前にハーロックとトチローを排除するため、ワルキューレの姉妹たちを送り込みます。この時代は2964年、地球は星間大戦に敗北し、ヴォータンによる支配下に置かれています。ハーロックはドクター大山と共に、宇宙へ脱出する計画を立て、様々なキャラクターたちとの交流が描かれます。

第三部: ジークフリート

デスシャドウ号でラインの星へ向かったハーロックたちは、ワルキューレを助けるために様々な試練に立ち向かいます。デスシャドウ号の内部では物理法則が崩壊し、艦体が危機に直面しますが、ブリュンヒルデの勇気によってこれを乗り越え、さまざまな敵と戦います。彼女の行動により、暗黒女王の侵略から宇宙を守るため、重要な選択が迫られます。

第四部: 神々の黄昏

物語は海賊島から始まります。ハーロックとトチローは新たな力を求め、デスシャドウ2号艦を急造します。彼らはアルカディア号の建造に向けた大きな一歩を踏み出す中で、アルベリッヒとの壮絶な戦いを繰り広げます。物語は未公開のまま続き、松本零士が2023年に没したことにより、後を継ぐ者の登場もありません。

登場人物

• - ハーロック: 疾患を抱えつつも戦う宇宙海賊。
• - トチロー: ハーロックの忠実な相棒。
• - メーテル: 宇宙を旅する神秘的な女性。
• - エメラルダス: 宇宙を駆ける自由な女海賊。
• - ヴォータン: 宇宙の支配者で神々の一員。

舞台

物語の舞台は、宇宙に点在する多くの星や惑星、特にラインとワルハラが中心となります。ラインは黄金に守られた星で、ワルハラは宇宙の中心とされています。これらの舞台設定は、物語に深みを与えています。

OVA

1999年に『ハーロック・サーガ ニーベルングの指環』として全6巻のOVAがリリースされました。音楽にはワーグナーの楽曲が多数使用され、その壮大な世界観を引き立てています。この作品は松本零士の独特なスタイルと神話的要素が融合した傑作として、多くのファンに愛されています。

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