ニール・ブッシュ

ニール・マロン・ブッシュ（Neil Mallon Bush）は、1955年1月22日、テキサス州ミッドランドで生まれたアメリカ合衆国の実業家です。父は第41代アメリカ合衆国大統領のジョージ・H・W・ブッシュ、兄には第43代アメリカ合衆国大統領のジョージ・W・ブッシュ、第43代フロリダ州知事のジェブ・ブッシュがいます。

生い立ちと学歴

父ジョージ・H・W・ブッシュが勤務していたドレッサー・インダストリーズ（現在のハリバートン）の社長、ヘンリー・ニール・マロンにちなんで名付けられました。1973年にワシントンD.C.のセント・オールバンズ校を卒業後、テュレーン大学に進学し、1977年に経済学の学位を取得。さらに1979年にはMBAを取得しています。

経歴

1980年代に発生したS&L危機において、ニール・ブッシュはデンバーに拠点を置くシルベラード貯蓄貸付組合の役員を務めていました。当時、彼の父であるジョージ・H・W・ブッシュがアメリカ合衆国副大統領であったこともあり、この件はマスメディアから大きな注目を浴びました。貯蓄機関監督局（OTS）は、ブッシュが「複数の利益相反行為に関与し、受託者としての義務に違反した」と判断。刑事訴訟には至らなかったものの、民事訴訟で多額の和解金を支払うこととなりました。

その後、ニール・ブッシュは中東、ヨーロッパ、アジアなど世界各国を訪問し、様々な事業の資金調達に奔走しました。2002年には、当時の中国国家主席である江沢民の息子、江綿恒が設立した大手ファウンドリ、上海宏力半導体製造（GSMC）の取締役に就任しました。この就任は、共同設立者である台湾の富豪、王永慶の長男である王文洋からの要請によるものでした。

2012年8月27日には、人民帽を被り、毛沢東が描かれたマグカップを持った自身の写真を中国語と英語で「I'm thinking of joining the CCP. What do you think of my accessories?」（中国共産党への加入を今検討している。私の服装をどう思う？）というメッセージとともに中国版Twitter「微博」に投稿し、中国国内で大きな話題となりました。

2017年5月には、父ジョージ・H・W・ブッシュの後押しを受け、「米中関係のためのジョージ・H・W・ブッシュ財団」を創設し、会長に就任しました。この財団は、世界で最も重要な二国間関係として米中関係を重視した父ジョージ・H・W・ブッシュの精神を受け継ぎ、建設的な米中関係を築くためのプログラムを促進することを目的としています。

ニール・ブッシュは、S&L危機における責任や、中国企業との関わりなど、様々な側面で議論を呼ぶ人物ですが、その行動力と幅広い人脈を活かし、実業家として独自の道を歩んでいます。

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