ニール・ラッカーズ

ニール・ラッカーズ：NFLを彩ったプレースキッカーの軌跡

ニール・ラッカーズ（Neil Rackers, 1976年8月16日- ）は、ミズーリ州セントルイス出身のアメリカンフットボール選手です。ポジションはプレースキッカーとして活躍しました。

若き日の才能

高校時代から、ラッカーズはアメリカンフットボールだけでなく、サッカーや野球でも才能を発揮しました。サッカーではミズーリ州の選抜に選ばれ、野球ではオール・カンファレンスに選出されるほどの腕前でした。

NFLへの挑戦

イリノイ大学を経て、2000年のNFLドラフト6巡でシンシナティ・ベンガルズに入団し、NFLでのキャリアをスタートさせました。ベンガルズでは3シーズンを過ごし、FG67本中44本を成功させました。

しかし、最初のシーズンは苦難の連続でした。開幕から3連続でFGを失敗し、FG成功率は57.1%にとどまりました。2001年も成功率は60.7%と低迷しましたが、2002年には成功率が向上し、シーズン終盤には安定したパフォーマンスを見せました。しかし、オフシーズンのひざの手術が影響し、シーズン開幕前にベンガルズから放出されてしまいます。

アリゾナ・カージナルスでの飛躍

2003年シーズン半ばにアリゾナ・カージナルスに加入すると、ラッカーズは才能を開花させます。カージナルス在籍中には、2度もタッチバック20回以上を記録しました。

2005年には、開幕から26回連続FGを成功させるという偉業を達成。ジャクソンビル・ジャガーズ戦で43ヤードのFGを失敗するまで、前年から数えて31回連続でFGを成功させていました。また、10月2日にメキシコのアステカ・スタジアムで行われたサンフランシスコ・フォーティナイナーズ戦では、6本全てのFGを成功させました。この活躍が評価され、同年10月にはNFCの月間最優秀選手（スペシャルチーム部門）に選ばれました。

2006年1月1日には、シーズン40回目のFGを成功させ、NFL記録を更新しました。この記録は後にデビッド・エイカーズによって更新されますが、ラッカーズの功績は色褪せることはありません。この年、彼はプロボウルとオールプロファーストチームに選出され、名実ともにNFLを代表するプレースキッカーとなりました。

晩年と引退

2006年以降は、怪我に悩まされる時期もありましたが、2008年には成績を改善させました。チームは第43回スーパーボウルに進出しましたが、ピッツバーグ・スティーラーズに敗れて優勝は果たせませんでした。2009年には脚の付け根を痛め、グリーンベイ・パッカーズとのプレーオフではFGを失敗するなど、苦しい時期もありました。

その後、ヒューストン・テキサンズ、ワシントン・レッドスキンズを経て、2013年に現役を引退しました。

ニール・ラッカーズは、その正確なキックと、常に挑戦し続ける姿勢で、多くのファンを魅了しました。彼のNFLでの活躍は、長く語り継がれることでしょう。

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