ヌニェス (ブエノスアイレス)

ヌニェス地区の紹介

ヌニェス（Núñez）は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス特別区の北端に位置するバリオで、コムーナ13に属しています。この地区は歴史的な背景を持っており、面積は約3.9平方キロメートル、2001年の国勢調査時点では約53,005人が居住していました。

歴史的背景

ヌニェスは、ドン・フロレンシオ・エメテリオ・ヌニェスによって開発された地域です。彼の名前が地区名にも反映されています。地区が形成され始めたのは1870年代で、特に1873年4月17日には、後にミトレ線となる鉄道が開通し、式典には大勢の人々が詰めかけました。これにより、周辺の土地が小分けされて住宅の開発が進んでいきました。そして、ヌニェス自身も駅建設のために土地を寄付したことで、その名が長きにわたり残っています。

地理的特徴

ヌニェスはブエノスアイレス特別区の北端に位置し、周囲にはベルグラーノ、サーベドラ、コグランといった地区が隣接しています。北側にはブエノスアイレス州のビセンテ・ロペス市があり、北東にはラプラタ川が流れています。地域の特徴として、高層アパートが立ち並ぶエリアが多く、特にカビルド通りとリベルタドール通り沿いでは活発な商業活動が見られます。街の北部には洗練された高級住宅街が広がり、緑豊かな別荘地も存在しています。

また、地区内にはバルカルセ広場やフェリクス・リマ広場といった広場があり、開放的な公共スペースも整備されています。リベルタドール通りと河岸の間には、スポーツクラブや高性能の陸上競技センター「CeNARD」、さらには運動場なども存在し、多様なアクティビティが楽しめる場所となっています。

1999年には児童公園であるニーニョス公園が開設され、2009年には市長マウリシオ・マクリにより「シティ・ビーチ」としての落成式が行われました。ここではリアルな海岸とは異なり、水設備はありませんが、広大な砂場にビーチパラソルが設置され、子どもたちが遊ぶことができます。この公園は市内の類似の公園の中でも特に人気があり、シティ・ビーチの第一号でもあります。

教育機関

ヌニェス地区には、ブエノスアイレス大学の都心キャンパスもあります。このキャンパスには、精密・自然科学部や建築・デザイン・都市計画学部の2つの学部が存在し、学生たちが豊かな学びの場を提供されています。なお、ブエノスアイレス大学は中央の大きなキャンパスがないため、各学部がそれぞれ独立した施設で学びを深めています。

歴史の影

また、1970年代後半から1980年代の初めにかけて行われたアルゼンチンの軍事政権による汚い戦争では、ヌニェス周辺が多くの悲劇の舞台となりました。特にアルゼンチン海軍技術学校（ESMA）は、この時期に数々の残虐行為が行われた場所として知られています。

ヌニェスは歴史的背景を持ちながらも、商業や教育、コミュニティ活動が活発に行われるエリアとして、多くの人々に親しまれ発展を続けています。

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