ネイサン・クレバリー

ネイサン・クレバリーは、1987年2月17日にウェールズのケアフィリで生まれた元プロボクサーです。主にライトヘビー級で活躍し、世界ボクシング機構（WBO）および世界ボクシング協会（WBA）のライトヘビー級世界王者に輝いた実績を持ちます。

プロキャリアの幕開けと初期タイトル

2005年7月23日、クレバリーはプロのリングに足を踏み入れました。アマチュア時代に36戦32勝の好成績を残していた彼は、プロでもその才能を開花させ、すぐに頭角を現します。

2008年10月10日、トニー・オーケーと争ったコモンウェルスイギリス連邦ライトヘビー級王座決定戦に12回判定で勝利し、プロ初タイトルを獲得。その後、この王座をダグラス・オティエノ相手に4回KOで初防衛するなど、計4度にわたり防衛に成功しました。

2009年7月18日には、ダニー・マクリントッシュを7回TKOで下し、コモンウェルス王座の4度目の防衛を果たすとともに、BBBofC英国ライトヘビー級王座も手に入れました。同年10月にはコートニー・フライを8回TKOで破り、英国王座の初防衛とコモンウェルス王座の5度目の防衛を同時に成功させています。

さらに、2010年2月13日にはEBU欧州ライトヘビー級王座決定戦でアントニオ・ブランカリオンを5回TKOで破り、欧州タイトルも獲得しましたが、こちらは防衛せず返上しています。

WBO世界王座獲得と防衛ロード

世界タイトルへの挑戦権を掴むため、2010年9月18日に行われたWBO世界ライトヘビー級挑戦者決定戦でカロ・ムラトと対戦し、10回TKO勝利。正規王者ユルゲン・ブリーマーへの指名挑戦権を獲得しました。

同年12月11日には、ナジブ・モハメディとのWBO世界ライトヘビー級暫定王座決定戦に勝利し、暫定王座を獲得。そして2011年5月、正規王者ブリーマーの王座剥奪に伴い、クレバリーはWBO世界ライトヘビー級正規王者に認定されました。

正規王者としての初防衛戦は、2011年5月21日にアレクシー・クゼンスキを相手に行われ、4回TKOによる圧勝で飾りました。同年10月15日には、ライバルであったトニー・ベリューと激突。フルラウンドの末、3-0の明確な判定勝利を収め、2度目の防衛を果たしました。

その後も防衛を重ね、2012年2月25日にはトミー・カーペンシーに2-0判定勝利で3度目の防衛。同年11月10日にはショーン・ホークを8回TKOで破り4度目の防衛に成功。2013年4月20日にはロビン・クラスニキに3-0判定で勝利し、計5度の防衛を達成しました。

初の敗北、階級変更、そしてWBA王座獲得

WBO王座の6度目の防衛戦で、無敗の強打者セルゲイ・コバレフの挑戦を受けたクレバリーは、2013年8月17日、4回にTKO負けを喫し王座から陥落。これがプロキャリア初の黒星となりました。

コバレフ戦の敗戦後、階級をクルーザー級に上げ、2014年5月17日に復帰戦に勝利。同年11月22日には、クルーザー級で再びトニー・ベリューと対戦しますが、1-2の判定で敗れました。

ライトヘビー級に戻したクレバリーは、2015年10月16日にアンドルー・フォンファラと対戦するも判定負け。

しかし、再起を期した2016年10月1日、かつて正規王者だったユルゲン・ブリーマーとドイツで対戦。ブリーマーの負傷棄権により7回終了TKO勝利を収め、WBA世界ライトヘビー級レギュラー王座を獲得。WBOに続くライトヘビー級での二つ目の世界タイトルを手にしました。

最後の戦いと引退

WBA王者となったクレバリーには、暫定王者のディミトリー・ビボルとの団体内王座統一戦の指令が下されました。しかし、特別許可により、先に元世界王者バドゥ・ジャックとの防衛戦が組まれます。

2017年8月26日、ラスベガスで行われたビッグマッチの前座で、バドゥ・ジャックとの防衛戦に臨みましたが、5回TKO負けを喫し王座から陥落。試合後、自身のSNSで現役からの引退を表明しました。

プロ通算戦績は34戦30勝（16KO）4敗。WBO世界ライトヘビー級王座での5度の防衛をはじめ、多くのタイトルを獲得したネイサン・クレバリーは、ウェールズが誇るボクシング史に名を刻む存在となりました。

獲得タイトル

コモンウェルスイギリス連邦ライトヘビー級王座
BBBofC英国ライトヘビー級王座
EBU欧州ライトヘビー級王座
WBAインターコンチネンタルクルーザー級王座
WBO世界ライトヘビー級暫定王座
WBO世界ライトヘビー級王座
* WBA世界ライトヘビー級レギュラー王座

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