ネクロノミカン

映画『ネクロノミカン』の詳細

『ネクロノミカン』（原題：Necronomicon）は、1993年に公開されたオムニバス形式のホラー映画で、アメリカ合衆国の映画です。この作品は、著名なホラー作家H・P・ラヴクラフトによって創造された架空の魔導書「ネクロノミコン」を基にした物語が展開されます。全体で96分のカラー映像からなり、VHSで販売される際には『ネクロノミカン〜禁断の異端書〜』とのタイトルが付けられました。また、朝松健により『小説ネクロノミコン』としてノベライズもされています。

あらすじ

『ザ・ライブラリー』 (Library)

本作のプロローグでは、1932年に小説家H・P・ラヴクラフトが密教寺院を訪れます。その地下書庫で彼は恐ろしい魔導書「ネクロノミカン」を見つけ、僧侶に見つからないよう読み始めます。彼の想像力は魔導書の内容から触発され、物語のアイデアを書き留めるのですが、書庫からこの本が外に持ち出されることで、恐ろしい封印が少しずつ解かれていくのでした。

『ザ・ドラウンド』 (The Drownd)

エドワードが古びたホテルを相続し、伯父ジェスロからの手紙を発見するところから物語が始まります。ジェスロは、60年前に海難事故で愛妻と子どもを失い、「ネクロノミカン」を使い、彼らを蘇生させています。しかし、その帰りは恐ろしいもので、彼らは怪物へと変貌しています。エドワードは亡き婚約者クララを蘇生させることを試みますが、彼女もまた恐ろしい存在となってしまいます。ホテルの地下に潜む巨大な怪物も現れ、エドワードは思わぬ恐怖に直面します。

『ザ・コールド』 (The Cold)

この都市では、40年以上にわたって猟奇殺人事件が続いていました。新聞記者のデイルは、その調査の一環でマデン博士のアパートを訪ねます。冷え切った室内でデイルは管理人のエイミーから語られる話に耳を傾けます。マデン博士は永遠の命を得るために人間の髄液を利用しており、部屋に隠れている恐ろしい秘密が次第に明らかになっていきます。エミリーという女性が彼に好意を抱いているのですが、嫉妬に満ちたリナとの対立が悲劇を呼ぶことになります。最終的にエミリーの母が殺され、デイルもまた恐怖の渦に巻き込まれてしまいます。

『ウィスパーズ』 (The Whisper)

ポールとサラという警官は、ある事件の追跡中に事故を起こし、ポールはさらわれてしまいます。サラは廃墟に潜入し、老夫婦に出会うのですが、彼らが語る怪物と恐怖が待ち受けています。サラはポールの死体を発見し、呪われた空間で悪夢の渦に飲み込まれていくことになります。最終的に彼女もまた、恐ろしい運命に遭遇するのです。

エピローグ

エピローグではラヴクラフトが「ネクロノミカン」を読み続けているところで物語が結びつきますが、彼は僧侶に発見され、激しい対立が生じます。最後の封印が解除されたとき、彼は異次元空間の怪物に対抗するために苦闘します。

スタッフとキャスト

製作総指揮は一瀬隆重氏で、各エピソードには異なる監督が起用され、それぞれに特徴的な演出が施されています。複数の視点からそれぞれ異なる恐怖が描かれ、観客はラヴクラフトの恐ろしい世界観を味わうことができます。

この映画はホラー好きに限らず、ラヴクラフトの神秘的な作品に触れたい人々にとっても必見の作品です。

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