ネコノトピアネコノマニア

『ネコノトピア ネコノマニア』は、1990年5月2日にNHKの「ニューウェーブ・ドラマシリーズ」枠で放送されたテレビドラマです。社会の居場所を見つけられない若者と、生きることに疲れた大人たちが織りなす物語は、多くの視聴者の心を捉えました。

あらすじ

主人公は、高校生の鈴原頼子（工藤夕貴）。彼女は学校へ行くことを拒み、深夜に街を徘徊する日々を送っていました。駅の掲示板に「猫」という名前でメッセージを書き連ねるのが、彼女の心の叫びを表現する唯一の手段でした。

そんなある夜、頼子は深夜の校庭で菅野治（真木蔵人）という少年と出会います。彼は家出をしており、上田邦夫（萩原健一）という男と生活を共にしていました。上田は動物の売買で生計を立てていましたが、自らも妻子を捨てて家出をし、競馬に明け暮れるというだめ中年でした。

それぞれに問題を抱え、どこにも行き場のない3人は、やがて寄り添うように共同生活を始めます。社会の隙間は、彼らにとって束の間の安息の地となりました。しかし、そんな彼らのささやかな日常にも、やがて終わりが訪れるのでした。

キャスト

鈴原頼子：工藤夕貴
菅野治：真木蔵人
水上まりこ：岸田今日子
上田邦夫：萩原健一

萩原健一が演じる上田は、かつての代表作「傷だらけの天使」を彷彿とさせるアウトローな雰囲気を醸し出しており、岸田今日子との共演もまた、同作を連想させるものでした。

スタッフ

製作：高橋康夫
演出：木村淳
音楽：小野誠彦
脚本：藤田一朗、木村淳

受賞歴

第1回ウンブリアフィクションテレビ祭特別賞
平成2年度日本テレビ技術賞本賞（撮影）
平成2年度日本テレビ技術賞奨励賞（照明）

本作は、その映像美と、社会の底辺で生きる人々の心情を繊細に描いた点が評価され、国内外で数々の賞を受賞しました。特に、撮影と照明技術は高く評価されています。

『ネコノトピア ネコノマニア』は、単なるドラマという枠を超え、社会問題を提起し、人々の心に深く刻まれる作品として、今もなお語り継がれています。

キャッチコピー

さわぐだけさわいで死ぬだけさ!! おまえらなんかずーっと生きてろ。私、死んだら猫になる*

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