高橋康夫

高橋 康夫（たかはし やすお）について

高橋康夫（1946年4月24日 - 2023年4月14日）は、日本の建築史および都市史の権威として知られる研究者であり、京都大学の名誉教授でした。彼の専門知識と豊富な業績は、日本国内外で高く評価されています。

経歴

高橋氏は大阪府で生まれ育ちました。1965年に大阪府立天王寺高等学校を卒業後、1969年には京都大学工学部建築学科を卒業し、1971年には同大学の大学院修士課程を修了しました。その後、京都大学工学部で助手としてのキャリアをスタートさせ、1980年には「中世京都の展開過程に関する都市史的研究」により工学博士の学位を取得しました。

高橋氏は1981年に講師に昇進し、1987年には助教授、1995年には教授として教育に貢献しました。2010年には定年を迎え、名誉教授としての地位を得た後、花園大学に教授として移籍しました。2017年に花園大学を定年退職した後は、一般財団法人建築研究協会の理事長に就任しています。また、2020年には日本建築学会から名誉会員の称号を与えられました。さらに、公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所の理事長も務めていました。

高橋氏は、日本建築学会の理事（2000年〜2002年）、建築史学会の会長（2005年〜2007年）、文部科学省文化審議会の委員（2014年〜2017年）、京都府文化財保護審議会の会長（2014年〜）など、多くの専門機関でリーダーシップを発揮しました。

彼の業績は数多く、特に1994年に受賞した日本建築学会賞や2002年に受賞した建築史学会賞が注目されます。

高橋氏は2023年4月14日に急性腎不全のため亡くなりました。享年76歳でした。彼の死後、従四位に叙され、瑞宝小綬章が追贈されました。

主な著書

高橋康夫氏は多くの著作を通じて、日本の建築史や都市史に関する貴重な知見を提供してきました。彼の代表的な著作には、次のようなものがあります：

• - 『京都中世都市史研究』(思文閣出版, 1983)
• - 『建具のはなし』(鹿島出版会, 1985)
• - 『洛中洛外 環境文化の中世史』(平凡社, 1988)
• - 『京町家・千年のあゆみ 都にいきづく住まいの原型』(学芸出版社, 2001)
• - 『海の「京都」―日本琉球都市史研究』(京都大学学術出版会, 2015)
• - 『京都と首里――古都の文化遺産研究』(文理閣, 2020)

また、共著や編著に関しても多くの素晴らしい作品があります。例えば、以下の共編著が挙げられます：

• - 『室町幕府文書集成 奉行人奉書篇』(思文閣出版, 1986)
• - 『日本都市史入門』(東京大学出版会, 1989-90)
• - 『京・まちづくり史』(昭和堂, 2003)

高橋氏の研究は、京都の歴史や文化の理解を深め、多くの人々に影響を与えました。彼の遺産は今後も建築や歴史の分野で重要な指針となるでしょう。

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