ネコ・トモ

概要

『ネコ・トモ』は、バンダイナムコエンターテインメントが手がける「トモ」シリーズの第2弾として発売された、心温まるコミュニケーションゲームです。プレイヤーは、言葉を話すことができるようになった2匹のネコ、「ネココ」と「トモモ」（プレイヤーが名前を自由に設定することも可能）と共に日々を過ごします。前作にあたる『クマ・トモ』では、プレイヤーとクマが「親友」という関係でしたが、本作ではネコたちがプレイヤーにとって「家族」という、より深い存在として描かれています。

本作の企画は、前作のディレクターを務めたプロデューサーの冨所弥生氏が、育児休暇からの復帰後に続編制作を会社に提案したことがきっかけでした。前作のプレイヤーとクマの1対1の対話が中心だった構成に対し、本作では2匹のネコとプレイヤーという3人（？）での生活を描くことで、日常や物語の広がりを表現することを目指しています。また、冨所氏自身の家族ができた経験も反映され、ネコたちは前作のクマよりも一歩踏み込んだ「家族の一員」として、プレイヤーとは独立した存在として描かれています。

Nintendo Switch版は2018年 11月1日に、ニンテンドー3DS版は同年11月21日に発売されました。その後、2020年 11月19日には、様々な新要素が追加されたNintendo Switch用ソフト『ネコ・トモスマイルましまし』が登場しています。従来のNintendo Switch版ユーザーは、無料で「スマイルましまし」へアップデートすることが可能ですが、ニンテンドー3DS版はアップデートには対応していません。ただし、3DS版のセーブデータからプレイヤー名やネコたちの名前を「スマイルましまし」へ引き継ぐことは可能です。

ゲームシステムの特徴と前作からの変更点

本作の基本的なゲームの流れは、ネコたちと交流を深めることで画面上のメーターを溜めていくという点で前作と共通しています。しかし、メーターが満タンになった際の仕様が変更されました。前作ではプレイヤーの行動が中断され、クマからの質問パートに強制的に移行しましたが、本作では発生したエピソードがストックされるようになり、プレイヤーは自分の好きなタイミングでエピソードを進めることができるため、ゲームプレイの中断が少なく快適に遊べます。

また、いくつかの点でプレイヤーにとっての利便性や遊びやすさが向上しています。例えば、前作で長時間ゲームを中断した際にクマが空腹になったり体が汚れたりする要素がありましたが、本作ではそうした要素が廃止されました。さらに、おしゃべり中の画面や、リビング、ネコたちの部屋の様子を写真として記録に残せる機能が追加されています。

ネココとトモモの声には、前作と同様に合成音声が使用されていますが、本作では「AITalk」（株式会社エーアイ）から「ToSpeak」（東芝）に変更されました。これにより、漢字や簡単な英単語の発音にも対応できるようになり、言葉を教える際の表現の幅が広がりました。

言葉を教えるパートでは、前作で質問への返答に悩むプレイヤーが多かったという意見を受け、質問された際に「なんだろう」という選択肢を選ぶと、ネコの方から返答の候補を提案してくれるようになりました。これにより、言葉選びが苦手な人でもスムーズにゲームを進められます。

その他にも、プレイヤーがネコに話してほしい内容の傾向（「はげまして」「ほめて」「応援して」など）を指定できる「あなたのお話」機能や、季節や日付に関する話題を提供する「まいにちのお話」モードが収録されています。部屋の家具を自由に配置して模様替えを楽しんだり、ネコたちにプレゼントを贈ることも可能です。プレゼントしたアイテムは、ネコたちが身につけたり、部屋に飾られたりします。ネコの見た目についても、前作のボディーカラー変更に加え、体の柄や目の色もカスタマイズできるようになり、より個性的なネコを育てられるようになりました。

『スマイルましまし』からの追加要素

『ネコ・トモスマイルましまし』では、さらに遊びの幅が広がる新要素が多数加わりました。

- 仕立て屋機能では、プレイヤーが自由にデザインしたオリジナルの服をネコたちに着せることができます。
- 写真館機能では、好きな背景を選び、ネコたちのポーズや表情を細かく設定して記念写真を撮影できます。
- 以前は長時間遊ぶとネコが満足して休憩が必要になるシステムでしたが、「ひと休みボタン」が追加され、プレイヤーは好きなだけネコたちとの会話を楽しむことが可能になりました。
- 会話シーンを早送りする機能も加わり、より快適にゲームを進行できるようになっています。

ストーリー設定

本作の大きな特徴の一つは、ネコたちのユニークな出自にあります。ネココとトモモは、「キャトワル」という星からやってきた猫型宇宙人です。彼らの故郷であるキャトワル星は資源が乏しく、飢餓と争いが絶えない過酷な環境でした。その生活に嫌気がさした2匹は、地球への亡命を決意し、プレイヤーの家に身を寄せます。物語の序盤では正体を隠してプレイヤーとの共同生活を送りますが、親密度が高まったある時、自分たちが宇宙から来た存在であることを打ち明けます。プレイヤーがその事実を知って自分たちを嫌いになるのではないかと不安がる2匹に対し、プレイヤーは彼らを温かく受け入れます（ゲーム中の選択肢で否定することはできません）。さらに、実は地球に存在する一般的な猫たちも、遥か昔にキャトワルから地球へやってきた宇宙人の子孫である、という驚きの設定も明かされます。

コラボレーション展開

様々な作品とのコラボレーションも行われています。公式サイトなどで公開される「あいことば」をゲーム内で入力することで、『ねこ、はじめました』や『アイドルマスター』シリーズ、さらには『GOD EATER 3』や『太鼓の達人』、『テイルズオブヴェスペリア REMASTER』など、主にバンダイナムコエンターテインメントから発売されているゲーム作品に関する特別なおしゃべりを楽しむことができます。

『スマイルましまし』からは、着せ替え衣装やポーズに関するコラボレーションも実施されています。

- 仕事猫: 「ヨシ！」のポーズができるほか、仕事猫のイラストが入ったTシャツなどの衣装が登場します。
- ハローキティ: キティとミミィをモチーフにした可愛らしい着せ替え衣装が手に入ります。
- おじさまと猫: 作品に登場する人気キャラクター「ふくまる」のイラスト入りTシャツや、ふくまる風の体色に変更できるカスタマイズ要素が追加されています。

メディア展開

本作は漫画化もされており、小学館の児童向け漫画雑誌にて連載されました。

- もりちかこ氏による作品が『ちゃお』2018年9月号から2019年4月号まで掲載されました。
- かなき詩織氏による作品が『ぷっちぐみ』2018年10月号から2019年4月号まで掲載されました。

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