ネッド・ライフル

『ネッド・ライフル』（Ned Rifle）は、ハル・ハートリーが監督・脚本を務めた2014年製作のアメリカ映画です。この作品は、『ヘンリー・フール』(1997年)、『フェイ・グリム』(2006年)に続く、『ヘンリー・フール・トリロジー』の完結編として制作されました。

物語は、主人公ネッド・ライフルの18歳の誕生日から始まります。ネッドは、父ヘンリーが行方不明、母フェイが国際テロリストとして収監されるという不幸な境遇にありました。彼は、家族に不幸をもたらした元凶である父ヘンリーへの復讐を決意し、彼を探す旅に出ます。

旅の途中、ネッドは年上の文学女子スーザンと出会います。スーザンは、ネッドのヘンリー探しの旅に半ば強引に同行することになります。二人は、様々な出来事を経て、最終的にある研究施設に軟禁状態だったヘンリーを見つけ出します。

主要な登場人物は以下の通りです。

ネッド・ライフル: リーアム・エイケンが演じる、本作の主人公。父への復讐を誓う。
スーザン: オーブリー・プラザが演じる、文学好きの女性。ネッドの旅に同行する。
ヘンリー・フール: トーマス・ジェイ・ライアンが演じる、ネッドの父。物語の鍵となる人物。
サイモン・グリム: ジェームズ・アーバニアクが演じる。
フェイ・グリム: パーカー・ポージーが演じる、ネッドの母。国際テロリストとして収監されている。
ガードナー神父: マーティン・ドノヴァンが演じる。
ガードナー夫人: カレン・サイラスが演じる。
バド: ビル・セイジが演じる。
* チェット: ロバート・ジョン・バークが演じる。

日本では、劇場公開はされませんでしたが、2018年4月に大阪シアターセブン、5月にアップルリング渋谷で開催された「ハル・ハートリー復活祭」で初めて上映されました。この上映によって、日本のファンも『ネッド・ライフル』を鑑賞する機会を得ることができました。

『ネッド・ライフル』は、前2作からの登場人物たちのその後を描きつつ、新たなキャラクターを加えて、物語をさらに複雑に展開させています。ハル・ハートリー監督独特のオフビートなユーモアと、登場人物たちのシニカルな会話は健在で、観る者を魅了します。また、家族の絆や復讐といった普遍的なテーマを扱いながらも、既存の価値観にとらわれない独特の視点で描かれている点も、この作品の大きな魅力です。三部作の完結編として、過去作からのファンはもちろん、ハル・ハートリー作品を初めて観る人にも楽しめる内容となっています。

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