ネナド・クリスティッチ

ネナド・クリスティッチ（Nenad Krstić、1983年7月25日 - ）は、セルビア出身のプロバスケットボール選手です。ユーゴスラビア（現セルビア）のクラリェヴォで生まれ、ポジションはセンターを務めます。身長213cm、体重118kgという恵まれた体格を誇ります。

NBA以前

クリスティッチは、2002年のNBAドラフトでニュージャージー・ネッツ（現ブルックリン・ネッツ）から全体24位で指名を受けました。しかし、すぐにNBA入りはせず、2004年まではセルビアの強豪クラブ、パルチザン・ベオグラードでプレーしました。

NBAでの活躍

2004-2005シーズン、クリスティッチは満を持してNBAデビューを果たします。ルーキーながらインサイドで存在感を発揮し、1試合平均10.0得点5.3リバウンドを記録。オールルーキーセカンドチームに選出され、将来を嘱望される存在となりました。

翌シーズンには更なる成長を見せ、平均13.5得点6.4リバウンドと成績を向上させました。当時のネッツは、ヴィンス・カーター、ジェイソン・キッド、リチャード・ジェファーソンというスター選手を擁していましたが、クリスティッチは彼らに次ぐ重要な戦力として活躍。チームのシーズン終盤の14連勝に大きく貢献しました。この活躍により、MIP（最も成長したプレーヤー）の候補にも選ばれ、3位にランクインしました。

2006-2007シーズンは、世界選手権への出場を辞退してシーズンに臨み、チーム2位の平均得点を記録するなど、更なる飛躍が期待されました。しかし、12月22日のロサンゼルス・レイカーズ戦で左膝前十字靭帯断裂という重傷を負い、シーズンを棒に振ることになってしまいました。

怪我からの回復後、2008年にはロシアのトライアンフ・リュベルツィに移籍しますが、同年中にオクラホマシティ・サンダーと契約し、NBAに復帰を果たしました。

2011年2月24日、ジェフ・グリーンとのトレードで、ネイト・ロビンソン、ケンドリック・パーキンスとともにボストン・セルティックスへ移籍しました。

欧州での活躍

2011年、クリスティッチはロシアの強豪PBC CSKAモスクワに移籍し、ヨーロッパでのプレーに復帰しました。その後も、アナドル・エフェス（トルコ）などでプレーし、ヨーロッパのトップレベルの選手として活躍しました。

プレイスタイル

クリスティッチは、213cmの長身を生かしたインサイドプレーヤーであり、柔らかいシュートタッチでゴールから離れた位置からも得点できる能力を持っていました。一方で、ゴール下でのポジション争いなど、フィジカルな能力を必要とする面での課題も指摘されていました。

近年NBAで増加しているヨーロッパ出身センターの一人として、その後の多くの選手の道を切り開いた選手と言えるでしょう。

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