ネバーエンディング・ストーリー

ネバーエンディング・ストーリー：1984年の幻想的冒険

『ネバーエンディング・ストーリー』は、1984年に公開されたドイツ・アメリカのファンタジー映画であり、ミヒャエル・エンデの小説『はてしない物語』を原作としています。本作はウォルフガング・ペーターゼンが監督を務め、主演にはバレット・オリバーやノア・ハザウェイ、タミー・ストロナッハらが名を連ねています。この作品は、公開当初から特にアメリカとソビエト連邦で最高額の製作費がかけられた映画として知られていますが、ストーリーの結末は原作とは異なるものとなっています。

ストーリー概要

主人公バスチアンは、いじめられっ子であり母を亡くした後、父親との二人三脚の寂しい生活を送っています。ある日、いじめから逃れるために飛び込んだ書店で、不思議な本「ネバーエンディング・ストーリー」と出会います。この本の内容を語る書店の主は、「この物語は危険だ」と警告しますが、興味を抱いたバスチアンはこっそりと本を持ち帰ることに。

学校を休んで読み始めたバスチアンは、物語の世界に没入します。その物語の舞台は、無（The Nothing）によって崩壊の危機にある異世界「ファンタージェン」です。そこで草原の勇者アトレイユが、世界を救うために旅立つ姿が描かれます。アトレイユの持つ「アウリン」というお守りは彼を導く力を秘めています。

物語が進むにつれ、崩壊するファンタージェンの危機が迫り、バスチアンは思いもよらない結末に出会うことになります。そして、物語の救いの手を差し伸べるのは彼自身であることが明らかにされます。

キャストと制作背景

本作には、日本版主題歌として松田聖子が歌う「夏のジュエリー」が使われています。ソフト版では主人公のセリフがより穏やかに改変されており、受け手の印象が変わっています。映画化を望んでいた原作者ミヒャエル・エンデは、監督や製作スタッフと協力したものの、多くの改変に対して不満を持ち、製作の中止を要求しましたが、拒否された経緯があります。

撮影は主にミュンヘン近郊で行われ、カナダのバンクーバーやスペインでも撮影が行われました。映画はヨーロッパ的な感性で制作されたため、アメリカでの興行成績は振るいませんでしたが、西ドイツでは観客動員数500万人を記録しました。

評価と批評

本作は高い興行収入を上げ、Rotten Tomatoesでは支持率80%だと評価されています。一方で、批評家からは賛否が分かれ、一部では特殊効果の安っぽさやストーリー展開に対する辛辣な意見も見られました。シカゴ・サンタイムズのロジャー・イーバートは視覚効果の新しさを称賛しましたが、他の批評家は特に操作の不自然さを指摘しました。映画全体のメッセージや品質についての議論は続いていますが、未だに多くの子どもたちに愛される作品であることは間違いありません。

『ネバーエンディング・ストーリー』は、幻想的な冒険の世界へと誘い、観客に創造力の重要性を教えてくれる、記憶に残る作品となっています。

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