ネパール会議派

ネパール会議派

ネパール会議派（Nepali Congress、ネパール語: नेपाली काँग्रेस、略称: NC）は、南アジアに位置する国、ネパールの主要な政党の一つです。日本では「コングレス党」という通称でも知られています。

概要

ネパール会議派は、ネパールの近代史において、国民の権利と民主主義を確立するための運動で中心的な役割を担いました。特に、国王による絶対的な権力体制が敷かれていた時代には、非合法な地下活動を展開しながら、民主的な政治体制の実現を目指しました。1990年にネパールが民主化を達成して以降は、議会政治の中で重要な位置を占め、複数回にわたって連立または単独で政権を担当するなど、ネパール政治を牽引する有力政党としての地位を確立しています。

党の政治的な立場は社会民主主義であり、社会主義インターナショナルの正式な加盟政党でもあります。これは、民主的な手法を通じて、社会的不平等の是正や国民福祉の向上を目指すという、党の基本的な理念を反映しています。公式サイトなどで公表されているマニフェストによれば、ネパール会議派は1947年に結成され、1957年には社会民主主義を正式に党の方針として採用したとされています。党が掲げる主要な理念は、民族主義、民主主義、そして社会主義です。これらの原則に基づき、平等と社会的な正義が実現された社会の中で、公平な分配を伴う形での経済発展を目指すことを目標としています。

歴史と主な出来事

ネパール会議派は、その歴史の中で様々な変遷と重要な出来事を経験してきました。国王支配下での民主化運動から、1990年の民主化後の議会政治への移行、そして近年におけるネパールの政治体制の変化にも深く関わっています。

特筆すべき出来事としては、2008年にネパールが王政を廃止し共和制に移行した際、当時の党総書記であったラーム・バラン・ヤーダブ氏が、共和制ネパール初代大統領に選出されたことが挙げられます。これは、長年の民主化運動における党の貢献と影響力を示す出来事となりました。

また、近年の選挙においてもその存在感を示しています。2013年11月19日に実施された制憲議会選挙では、国民の広範な支持を得て196議席を獲得し、第一党に返り咲きました。この選挙結果を受けて、2014年2月10日には、当時の党首であったスシル・コイララ氏が首相に就任し、ネパール統一共産党を含む政党との連立による新政権が樹立されました。

党内においては、歴史的にカリスマ的なリーダーシップが発揮されることもありましたが、それに伴う内部対立や分裂も経験しています。例えば、かつてギリジャ・プラサド・コイララ氏が党首を務めていた時期には、党運営の手法を巡る意見の相違から、2002年に当時の首相であったシェール・バハドゥル・デウバ氏らが党を離脱し、「ネパール会議派民主」を結成するという事態が発生しました。しかし、その後、党の分裂は解消され、2007年9月21日には両派が再び統合し、党の再結束が図られました。このような分裂と再統合の歴史は、ネパール会議派が辿ってきた複雑な道のりを示しています。

思想と方針

ネパール会議派は、社会民主主義の立場から、国民の基本的な権利の保障、社会正義の実現、そして持続可能な経済発展を重視しています。民主的な政治プロセスを通じて、貧困の削減、教育や医療サービスへのアクセスの改善、雇用の創出などを図ることを政策の柱として掲げています。また、国際社会においては、社会主義インターナショナルの一員として、世界の民主主義と社会正義の促進に向けた活動にも関わっています。

歴代の党首によって党の運営方針には変化が見られましたが、根底にはネパールの民主化と国民生活の向上を目指すという一貫した理念があります。

関連項目

ネパールの政党

外部リンク

:::Nepali Congress Party:::（公式サイト、英語）

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