ネポ・ラウララ

ネポ・ラウララ（Nepo Laulala）は、1991年11月6日に南太平洋の島国サモア、モトゥーチュアで生を受けた、ニュージーランドを代表するプロラグビー選手です。フィールド上では、フォワード第一列の要となるプロップ（PR）として活躍し、スーパーラグビー・パシフィックに所属するブルーズの強固なスクラムを支えています。特筆すべきは、ラウララ家がラグビー一家であることで、彼の兄であるケイシー、そして弟のルテルもまた、プロのラグビー選手として活躍しています。

ネポ・ラウララは、身長184cm、体重116kgというプロップとして理想的な体格を誇ります。この恵まれたフィジカルを生かし、セットプレーであるスクラムではチームに安定感と推進力をもたらす重要な役割を担います。また、スクラムだけでなく、密集でのボールキャリーやタックルなど、オープンプレーにおいてもパワフルなプレーで貢献し、グラウンド全体で存在感を示します。

彼のキャリアは、ニュージーランド国内の州代表選手権（NPC）から始まりました。まずカンタベリー州代表で経験を積み、その後カウンティーズ・マヌカウでもプレーしました。国内での実績を積んだ後、スーパーラグビーの舞台へと進出します。最初に所属したのは、クライストチャーチを拠点とする強豪クルセイダーズでした。ここでスーパーラグビーレベルの経験を重ねた後、2016年にはハミルトンを本拠地とするチーフスへと移籍します。チーフスでは数シーズンにわたり主力のプロップとして活躍し、チームのフロントローを牽引しました。そして、2020年からはオークランドのブルーズに活躍の場を移し、現在もチームにとって欠かせないプロップとしてその実力を発揮しています。

国際舞台においては、ラグビー界で最も権威のあるチームの一つであるニュージーランド代表、通称オールブラックスの一員として輝かしいキャリアを築いています。2021年1月時点で、オールブラックスとしてのキャップ数は30に達しており、これは彼の高い実力とチームからの信頼を示しています。彼は、ラグビー選手のキャリアにおける最大の目標であるラグビーワールドカップに二度出場しています。日本で開催されたラグビーワールドカップ2019、そしてフランスで開催されたラグビーワールドカップ2023の両大会で、オールブラックスのメンバーとして世界の強豪相手に戦いました。また、過去にはニュージーランド国内の地域代表チームである南島代表にも選出された経験を持っています。

ラウララ家は、ネポ、兄ケイシー、弟ルテルの三兄弟がプロラグビー選手という、非常に稀有なラグビー一家です。兄のケイシーは主にフランカーとして、弟のルテルはネポと同じプロップとしてプレーしています。兄弟がそれぞれ異なるチームで活躍しながらも、互いに刺激し合い、切磋琢磨する関係は、ネポのラグビー人生においても大きな支えとなっていることでしょう。

ラグビー選手としての活動の傍ら、日本のテレビ番組に出演した経験もあります。2018年の元日には、TBS系列で放送されたスポーツ特番「究極の男は誰だ!?最強アスリート元日決戦!」にアスリートの一人として登場し、その驚異的な身体能力を披露しました。

サモアにルーツを持ち、ニュージーランドでトッププレーヤーへと成長したネポ・ラウララは、スーパーラグビーやテストマッチ、そして二度のワールドカップ出場という豊富な経験を持つ、現代ラグビーを代表するプロップの一人です。彼の強靭なフィジカル、安定したセットプレー、そして献身的なプレーは、所属するブルーズ、そしてオールブラックスにとって今後も不可欠な要素であり続けるでしょう。ラグビー一家の絆と共に歩む彼の、更なる活躍から目が離せません。

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