ネムキ

『ネムキ』の歴史と特徴

『ネムキ』は、朝日ソノラマおよび朝日新聞出版が発行していた日本の少女向け漫画雑誌です。この雑誌は1990年に創刊され、2013年1月号をもって終刊しました。元々は『眠れぬ夜の奇妙な話』の雑誌名でスタートしましたが、1994年1月からは省略形の『ネムキ』へと改名されました。キャッチフレーズは「オモシロ不思議いっぱいの少女コミック誌」であり、中学生を対象にしていたほか、一般の大人層も意識していました。

創刊と成長の軌跡

この雑誌は、当初、朝日新聞社の子会社である朝日ソノラマから刊行されたホラー漫画雑誌『月刊ハロウィン』の増刊号として誕生しました。その後、1996年には独立した隔月刊として発行が開始されました。『ネムキ』では主にホラー作品が中心とされ、加えてファンタジーやSFなど多彩なジャンルの作品が掲載されるようになりました。

2007年9月には、朝日ソノラマが会社清算を迎えたものの、権利は朝日新聞社が引き継ぎ、その後も発行を続けました。2008年4月には朝日新聞社出版本部が分社化され、朝日新聞出版として刊行が続けられました。

終刊とその後

2012年12月、2013年1月号を最後に終刊することが発表されました。終刊後の2013年4月には、朝日新聞出版が新たに『Nemuki＋』（ネムキプラス）を創刊し、今市子の『百鬼夜行抄』などの連載作品がいくつか引き継がれました。

執筆陣の魅力

『ネムキ』の魅力の一つは、豪華な執筆陣です。人気作家が数多く参加しており、多様な作品が読者を楽しませてきました。例えば、今市子は『百鬼夜行抄』を手掛け、伊藤潤二は『死びとの恋わずらい』を掲載するなど、各作家が独自の視点でホラーやファンタジーを描きました。また、川原由美子の『観用少女：プランツ・ドール』や、JETの『螺旋のアルルカン』なども多くのファンに支持されました。特に波津彬子の『雨柳堂夢咄』は多くの読者の心に残る名作に数えられています。

読者層と文化的影響

『ネムキ』は中学生から一般の大人まで、幅広い層に親しまれました。特に「普通の漫画に飽きたオトナ」向けという位置付けが新しい読者層を生み出しました。ホラーや幻想的な物語が多いため、他の一般的な漫画と比べても異彩を放つ存在でした。

今や『ネムキ』の作品やスタイルは、多くの漫画創作者に影響を与え、同時にその特徴的な世界観は多くのファンによって記憶され続けています。再びこのような形式の雑誌が発行されることを期待する声も多く、今なおその人気は衰えを見せていません。

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