波津彬子

波津彬子

波津彬子（はつ あきこ）は、1959年12月16日生まれの日本の漫画家です。石川県金沢市出身で、現在も金沢に在住しています。血液型はA型。趣味の一つとして、あとがきマンガでは「波頭 涛子（なみがしら とうこ）」というペンネームを使用しています。

経歴

漫画家としてのキャリアは、姉である花郁悠紀子の影響を受けて始まりました。花郁悠紀子が参加していた坂田靖子の漫画研究会「ラヴリ」の活動を幼い頃から見ており、自身も後に参加。花郁悠紀子、坂田靖子、橋本多佳子のアシスタントを務めました。

「ラヴリ」のメンバーや縁のあるプロ漫画家たちに声をかけ、同人誌『らっぽり』を主催。姉の死後、1981年に『ALLAN』（みのり書房）1月号に掲載された「波の挽歌」でプロデビューを果たしました。その後、『グレープフルーツ』（新書館）、『デュオ』（朝日ソノラマ）、『プチフラワー』（小学館）などで活躍。

伝統に対する深い造詣が作風に現れており、オリジナル作品の他に泉鏡花の小説のコミカライズも手掛けています。画集も出版されており、エッセイストとしての執筆や同人誌活動も行っています。2021年からは朝日新聞出版による『朝日ホラーコミック大賞』の審査員を務めています。

代表作としては、「雨柳堂夢咄」や「うるわしの英国シリーズ」などが挙げられます。また、姉である花郁悠紀子の作品の著作権継承者でもあります。

人物

『ダ・ヴィンチ』（KADOKAWA）2021年8月号に掲載された「植物と本」特集のインタビューで、波津彬子は「古都金沢に生まれ育ったことと自分の美意識は切り離せない」と語っています。この言葉からも、彼女の作品における美意識の根源が、生まれ育った金沢の風景や文化に深く根ざしていることがわかります。

作風

波津彬子の作品は、日本の伝統文化や美意識を背景にした幻想的な世界観が特徴です。作中には、季節感や雰囲気を高めるために、植物が効果的に使われています。また、猫が物語に登場することも多く、その描写は非常に写実的で、作家の観察眼の鋭さがうかがえます。

彼女の作品に登場する猫たちは、単なるペットとしてではなく、物語の重要な要素として、時には人間の心理を映し出す鏡として、生き生きと描かれています。

主な作品リスト

B級パラダイス！
光の庭・風の立つ影
パーフェクト・ジェントルマン
さざめく黄金（きん）の波
燕雀庵夜咄
お目にかかれて
水に棲む鬼
秋霖の忌
夜はきて愛を語り
雨柳堂夢咄
花色更紗　波津彬子イラスト集
幽霊宿の主人（あるじ）
牡丹灯籠
鏡花夢幻
水の中の月
9つの夜の扉
異国の花守
夜のやさしい手
唐人屋敷
彩織り幻想　多宝格　波津彬子の世界
うるわしの英国シリーズ
女神さまと私
幻想綺帖
レディシノワズリ
画業30周年＆「雨柳堂夢咄」連載20周年記念集 千波万波
蔵のある家（短編集）
ふるぎぬや紋様帳
幻妖能楽集
* あらあらかしこ

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