ネリー・コルダ

ネリー・コルダは、1998年7月28日にアメリカ合衆国フロリダ州ブレイデントンで生まれた女性プロゴルファーです。

彼女のゴルフキャリアはジュニア時代から輝きを見せ始めました。2015年には、ジュニア世代の欧米対抗戦であるジュニアソルハイムカップにアメリカチームの一員として参加し、チームの勝利に貢献しました。この経験が、その後のプロキャリアへの布石となります。

2016年にプロへ転向したネリーは、全米女子プロゴルフ協会（LPGA）の下部組織にあたるシメトラツアーで腕を磨きました。そのシーズンでツアーランキング9位という好成績を収め、2017年からのLPGAツアー参戦資格を獲得しました。

LPGAツアーでの初優勝は、台湾で開催されたSwinging Skirts LPGA Taiwan Championshipでした。この大会で、オーストラリアのミンジ・リーに2打差をつけ、待望のツアー初勝利を飾ります。この優勝を皮切りに、ネリーはその後もLPGAツアーで勝利を重ね、これまでに計6勝を挙げています。

特に印象深いのは、2021年の全米女子プロゴルフ選手権でのメジャー初制覇です。この大会でアメリカのリゼット・サラスを3打差で退け、メジャータイトルを獲得しました。この勝利により、ネリーは自身初の世界ランキング1位に躍り出ました。

メジャー制覇の勢いそのままに、ネリーは東京オリンピックのゴルフ競技・女子のアメリカ代表に選出されました。日本の霞ヶ関カンツリー倶楽部で開催された本戦では、3日目を終えて首位に立ちます。最終日はスコアが伸び悩む時間帯もあり、日本の稲見萌寧が猛烈な追い上げを見せて一時はピンチに陥りました。しかし、粘り強いゴルフでプレッシャーを跳ね返し、見事に金メダルを獲得しました。

さらに2024年には、メジャー大会であるシェブロン選手権での優勝を含む、出場試合5連勝という歴史的な快挙を達成しました。これはゴルフ史においても特筆すべき記録であり、ナンシー・ロペス、アニカ・ソレンスタムという伝説的な選手たちに次ぐ、史上3人目となる偉業でした。

ネリー・コルダは、スポーツ一家の出身としても知られています。父のペトル・コルダは、チェコスロバキア（当時）を代表するプロテニス選手で、1998年の全豪オープン男子シングルス優勝者です。姉のジェシカ・コルダもまたLPGAツアーで6勝を挙げている女子プロゴルファーであり、ネリーと共に東京五輪に姉妹でアメリカ代表として出場しました。弟のセバスチャン・コルダは父と同じくプロテニス選手として活躍しており、ATPツアーで優勝経験を持っています。このように、家族全員が各分野で高い実績を持つ、まさに「スポーツ一家」の中で育ちました。

若くして世界ランキング1位、メジャー優勝、そしてオリンピック金メダルと、女子ゴルフ界のトップ選手として輝かしいキャリアを歩み続けるネリー・コルダ。その才能と努力、そしてスポーツ一家に育まれた背景は、多くの人々に注目されています。

もう一度検索