ノエル・ファントエンド

ノエル・ファントエンド：柔道界の雄

ノエル・ファントエンド（Noël van 't End、1991年6月15日生まれ）は、オランダのハウテン出身の柔道家であり、90kg級で活躍しています。身長185cm。

柔道との出会いと初期のキャリア

ファントエンドが柔道を始めたきっかけは、兄の影響でした。2012年にはU23ヨーロッパ選手権90kg級で3位に入賞し、その才能の片鱗を見せ始めます。2014年には、グランドスラム・アブダビで2位、グランプリ・青島で優勝するなど、年間を通して5つの大会でメダルを獲得し、着実に実力をつけていきました。

2015年には、グランドスラム・バクーとグランドスラム・アブダビで再び2位入賞を果たし、ワールドマスターズでは3位に入賞するなど、国際舞台での存在感を高めていきました。特筆すべきは、彼の父親が非常に熱心なサポーターであり、息子の出場するIJFワールド柔道ツアーに常に付き添い、試合の様子を記録し続けていることです。

リオ五輪と苦悩の時期

2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、初戦でモンゴルの選手に敗れ、悔しい結果となりました。オリンピック後、オランダ柔道連盟は強化体制の見直しを図り、ナショナルトレーニングセンターでの集中強化を打ち出しましたが、ファントエンドは当時フランスに滞在し、63kg級世界チャンピオンとの交際もあり、フランス国籍への変更も検討していました。しかし、最終的にはオランダ国籍のまま、競技を続けることを決意しました。

世界選手権制覇と東京五輪

2018年のグランドスラム・大阪では、決勝で日本の向翔一郎選手に敗れ2位となりました。しかし、2019年のグランドスラム・エカテリンブルグでは、決勝でジョージアの選手を破り、グランドスラム大会で念願の初優勝を飾りました。そして、同年東京で開催された世界選手権では、決勝で再び向翔一郎選手を破り、見事優勝を果たしました。

2021年のワールドマスターズでも優勝を果たし、好調を維持していましたが、東京オリンピックでは7位に終わりました。2023年には、グランドスラム・パリとグランドスラム・アンタルヤで優勝するなど、再びトップ戦線に返り咲いています。2024年のパリオリンピックでは初戦で敗れるという結果でした。

主な戦績

2012年 - U23ヨーロッパ選手権 3位
2013年 - ヨーロッパオープン・タリン 3位
2013年 - ヨーロッパオープン・ミンスク 3位
2013年 - グランプリ・アブダビ 2位
2014年 - グランプリ・デュッセルドルフ 2位
2014年 - グランプリ・ブダペスト 3位
2014年 - グランプリ・ザグレブ 3位
2014年 - グランドスラム・アブダビ 2位
2014年 - グランプリ・青島 優勝
2015年 - グランプリ・サムスン 優勝
2015年 - グランドスラム・バクー 2位
2015年 - ワールドマスターズ 3位
2015年 - グランドスラム・アブダビ 2位
2016年 - グランプリ・トビリシ 優勝
2017年 - グランドスラム・エカテリンブルグ 3位
2018年 - グランプリ・チュニス 3位
2018年 - グランドスラム・大阪 2位
2019年 - グランドスラム・エカテリンブルグ 優勝
2019年 - 世界選手権 優勝
2021年 - ワールドマスターズ 優勝
2023年 - グランドスラム・パリ 優勝
2023年 - グランドスラム・アンタルヤ 優勝

現在のランキング

IJF世界ランキングは5091ポイントで13位です（24/7/22現在）。

ノエル・ファントエンドは、常に高みを目指し、世界の舞台で活躍を続ける柔道家です。

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