グランドスラム・アブダビ

グランドスラム・アブダビとは

グランドスラム・アブダビは、アラブ首長国連邦（UAE）の首都アブダビで開催される柔道の国際大会です。国際柔道連盟（IJF)ワールド柔道ツアーの一環として開催され、当初はグランプリ大会としてスタートしましたが、後にグランドスラム大会に格上げされました。

大会の変遷

2009年～2013年: グランプリ・アブダビとして開催
2014年～現在: グランドスラム・アブダビとして開催

2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりましたが、2021年からは再び開催されています。会場は、アブダビにあるアルジャジーラ体育館です。

大会の特徴

グランドスラム大会として、世界ランキングに大きく影響する大会の一つであり、世界各国からトップレベルの選手が集まります。過去には、主審一人制が試みられたこともありましたが、正式採用には至りませんでした。

イスラエル選手の参加問題

政治的な背景から、イスラエル選手の参加を巡って様々な問題が発生しました。イスラエルと国交のないアブダビ当局が、当初イスラエル選手へのビザ発給を拒否したことがありました。IJFの働きかけにより、最終的にはIJFの旗の下での参加が認められましたが、自国の国旗を掲げることができない状況での参加となりました。

2017年大会でも同様の措置が取られましたが、66kg級で優勝したイスラエルのタル・フリッカーは、表彰式でIJFの歌が流れる中、自国の国歌を口ずさみました。この行動は、スポーツと政治の関係について議論を呼ぶこととなりました。

2018年には、IJFがイスラエル選手の平等な扱いを求めた結果、アブダビ当局が全ての国を平等に扱うと通達し、イスラエル選手は自国の国旗の下で参加できるようになりました。同年の大会では、イスラエルのサギ・ムキが優勝し、UAEで初めてイスラエルの国歌が演奏されました。

その他の出来事

2018年大会では、イランのサイード・モラエイが、イスラエルの選手との対戦を避けるために棄権したのではないかという疑惑が浮上しました。しかし、IJFは虚偽申告とは判断しませんでした。

グランドスラム・アブダビは、スポーツの祭典であると同時に、政治的な問題が絡む複雑な側面も持ち合わせている大会と言えるでしょう。

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