ノバスコシア・ドル

ノバスコシア・ドルは、かつてカナダのノバスコシア州にあたるノバスコシア植民地で、1860年から1871年までの間使用されていた通貨です。この通貨は、1860年に導入され、それまで使われていたポンドとの間で、5ドルが1ポンドに相当するレート（1ドル＝4シリング）で固定されました。

ノバスコシア・ドルは、1871年にカナダドルに置き換えられることになります。その際の交換レートは、75ノバスコシア・セントが73カナダ・セントと定められました。この交換レートは、当時の両通貨の価値を反映したものでした。

硬貨

ノバスコシア・ドルには、硬貨も存在していました。1861年から1864年の間に、½セントと1セントの銅貨が発行されています。これらの硬貨は、日々の取引で広く使用され、ノバスコシア植民地の経済活動を支えました。

紙幣

紙幣についても、ノバスコシア・ドルは独自のものがありました。1861年から1866年にかけて、地元政府が5ドル紙幣を発行していました。この紙幣に加え、当時の主要な銀行であるノバスコシア銀行、ハリファックス銀行、そしてハリファックス商業銀行の3行が、それぞれ20ドル紙幣を発行していました。

1867年にカナダ自治領となった後、ノバスコシアは1866年に「Payable in Halifax / only（ハリファックスでのみ支払い可）」と記載された5ドル紙幣を発行しました。この紙幣は、地域通貨として1871年にカナダドルに置き換えられるまで、ノバスコシア地域で流通しました。この時の価値は、カナダ・ドルの4.86ドルに相当しました。

ノバスコシア・ドルは、短期間ではありましたが、ノバスコシア植民地の経済を支える上で重要な役割を果たしました。その歴史は、カナダの通貨制度の変遷を理解する上で、貴重な事例の一つと言えるでしょう。

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