ノリリスク

ノリリスクの概要

ノリリスク（ロシア語: Нори́льск）は、ロシア連邦クラスノヤルスク地方に位置する北極圏の都市です。地理的には北緯66度33分付近、北極線から300km以上北にあり、人口は2010年には175,365人、2021年には182,701人とされており、北極圏内ではムルマンスクに次いで人口が多い都市となっています。ノリリスクは、自動車道路や鉄道を通じてエニセイ川のドゥディンカ港と結ばれ、さらに多様な鉱物資源が豊富であることから、鉱業が主要な産業となっています。

名称の由来

この都市名は、ノリリスク川およびノリリスク山にちなんで名付けられました。川の名称は、氷下で網を捕るために使われた棒「ノリロ」に由来していると言われています。

歴史

ノリリスク周辺には青銅器時代から人々が鉱物に関わっていた証拠があり、16世紀頃には地元の人々がこの地の銅を利用していました。20世紀初頭からは、地質学的な調査が行われ、数多くの鉱床が発見されました。1921年にはノリリスクの初めての住居が建設され、その後も都市としての発展が続きました。

1935年に設立されたノリリスク矯正労働収容所（ノリラグ）は、当初は鉱山建設に囚人を動員しました。大きな影響を受けたのが1937年の大粛清で、囚人の数は急増しました。最終的には収容所で約30万人の囚人が収容され、ここで扱われた鉱山の建設と運営に大きく寄与しました。

現代のノリリスク

ノリリスクは現在、ニッケル生産の世界最大手であるノリリスク・ニッケルが操業しており、その鉱山からはニッケルに加えて銅やコバルトなども生産されています。ノリリスク・ニッケルは、ニッケル生産で世界第1位、パラジウムでも第1位の地位を占めています。

環境問題

一方で、鉱山の操業によって引き起こされる環境問題も深刻です。二酸化[[硫黄]]の排出が問題視され、「世界の汚染された10都市」に名を連ねることもあります。特に、2020年には火力発電所での大規模な燃料流出事故が発生し、環境への影響が懸念されました。

文化及びスポーツ

文化面では、ノリリスクでは年に数回の大規模な文化・娯楽フェスティバルが開催され、多くの人が街に集います。スポーツの分野でも、フットサルクラブやカーリングが盛んで、多くの施設が市民に開放されています。さらに、劇場など文化施設も充実しています。

交通とインフラ

交通面では、ノリリスク・アリケリ空港があり、国内主要都市への便が運航されています。また、陸路や鉄道も整備されており、ドゥディンカ港と接続しています。

ノリリスクはその厳しい自然環境にもかかわらず、豊かな鉱物資源に支えられた産業と独自の文化を持つ魅力的な都市です。

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