ノルウェー空軍

ノルウェー空軍（Luftforsvaret）

ノルウェー空軍（ノルウェーくうぐん、ノルウェー語: Luftforsvaret）は、ノルウェー王国の空軍を代表する組織です。1912年に無事に初めての飛行を行って以来、空軍は地域の防空と国際活動を通じて重要な役割を果たしています。また、国境防衛のために海軍や沿岸警備隊向けのヘリコプター部隊も運営しています。

歴史

ノルウェーでの軍用航空機の運用は1912年に始まりました。当時、最初の軍用機は市民からの寄付で購入され、海軍の指揮官によって操縦される事態となりました。この背景のもと、1914年に陸軍航空隊、1916年には海軍航空隊が設立されました。第一次世界大戦後、両航空隊は国内生産やライセンス生産の機体を主に使用し、オランダ製のフォッカー C.Vが主力となっていました。

1930年代に入り、戦争の影が迫る中、ノルウェーはイギリスやドイツから新型航空機を調達しました。特に、カーチス P-36戦闘機は戦争前の重要な納入品とされましたが、いざ侵攻が始まると多くの機体が未装備のまま待機していました。ドイツの侵攻が1940年4月に開始された際、19機は飛行が可能でしたが、装備品を整えられず、その後の戦闘では多くの損失を被りました。

連合国軍の撤退後、ノルウェー政府は国を離れイギリスに亡命します。亡命した航空隊はイギリス軍に統合され、スーパーマリン スピットファイアを運用する部隊として再編成されました。1944年、多くの陸海軍の航空隊が統合され、ノルウェー空軍として新たに創設されたのです。

冷戦とNATOへの加盟

第二次世界大戦後、空軍はノルウェー本土に戻り、F-35やF-16戦闘機などの最新鋭機を保有するようになりました。1949年には北大西洋条約機構（NATO）に加盟し、冷戦時代には、ソ連機に対するスクランブル発進を毎年500回以上行うなど、地域防空に注力しました。

2000年代に入ると、ノルウェー空軍はアフガニスタンでのNATO活動にも参加。2002年以降、対象地域の部隊支援のためにF-16戦闘機部隊が派遣されました。このように、ノルウェー空軍は国際的な安全保障にも貢献し続けています。

現在の運用

2011年にはリビアでの飛行禁止空域において警戒飛行を行い、国際社会の要請に応じた活動を展開しました。また、2021年にはF-16の一部をルーマニア空軍に売却し、資機材の更新を進めています。

組織と基盤

空軍の人員は約2,700名（内、徴集兵は約1,250名）で、各地に複数の基地を運営しています。重要な基地にはボードー空軍基地やオーランド空軍基地などがあり、各飛行隊が様々な任務を担っています。また、ノルウェー空軍は固定翼機や回転翼機の幅広い装備を保有し、操作技術や防空能力を向上させています。

装備と訓練

現在の空軍の主な装備には、F-35やF-16戦闘機、P-3C哨戒機、C-130J輸送機などが含まれ、効率的な運用を行っています。特に、ドラッグシュートを装備した戦闘機は、冬季の厳しい環境においても短い滑走路での運用が可能です。

ノルウェー空軍は、国内外の厳しい任務に応じた訓練を実施しながら、国の安全保障を担う重要な力として存続しています。

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