ノルドール

ノルドール（Noldor）

J・R・R・トールキンのファンタジー作品、『指輪物語』や『シルマリルの物語』に登場するエルフの一族、ノルドール。

概要

ノルドール（単数形：ノルド、Noldo）は、クウェンヤで「博識」を意味する言葉です。彼らはヴァラールからの呼びかけに応じ、王であるフィンウェに率いられてアマンへと旅立ったエルフの一団、エルダールの第二陣に位置づけられます。アヴァリとなった者たちを除き、ノルドールのほとんどがアマンへと渡りました。彼らは「地のエルフ（Deep-elves）」とも呼ばれ、多くが黒髪を持つとされています。ヴァンヤール、ファルマリと共に、ノルドールはカラクウェンディに分類され、ヴァンヤール、テレリと共に、エルダールを構成します。

ノルドールは、特に手の技を愛し、創造神アウレから多くの知識や技術を学びました。アウレもまた、彼らを最も愛したと言われています。ノルドールの知識への渇望は非常に強く、ヴァリノールを広く探求しました。

シルマリルを巡る悲劇

メルコール（後のモルゴス）が、フィンウェの息子フェアノールが創造した宝玉シルマリルを奪い、中つ国へと逃亡する事件が発生します。フェアノールとその七人の息子たちは、「何者であろうと、シルマリルを奪う者は決して許さない」という誓い（フェアノールの誓言）を立てました。彼らはヴァラールの制止を振り切り、多くのノルドールを率いてモルゴスを追い、中つ国へと旅立ちます。この誓いは彼らを強く縛り付け、数々の輝かしい功績と、多くの悲劇を生み出すことになります。

中つ国への道を急ぐあまり、フェアノールとその一党はアルクウァロンデにおいて、テレリから力ずくで船を奪い、多くのテレリを殺害するという同族殺しを犯してしまいます。この罪により、ヴァラールはフェアノール達のみならず、中つ国へ向かった全てのノルドールに対して、アマンへの帰還を禁じました。これが「マンドスの呪い」として知られています。

その後

怒りの戦いの後、マンドスの呪いは解かれ、多くのノルドールは他のエルダールと共にアマンへと帰還しました。中つ国に留まったエルダールも、指輪戦争でサウロンが滅亡した後、やはりアマンへと渡っていきました。

ノルドールの物語は、知識への探求心、創造性、そして誓いの重さ、同族間の争いといったテーマを深く掘り下げています。彼らの辿った運命は、トールキンの世界における重要な要素の一つと言えるでしょう。

関連項目

* ノーム (妖精)

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