ノルマンディー橋

ノルマンディー橋

ノルマンディー橋（仏: Le Pont de Normandie）は、フランスのセーヌ川の河口付近に位置する壮大な斜張橋です。この橋は、フランス北部のル・アーヴルとオンフルールを結んでおり、その全長は2143.21メートルという驚異的な長さを誇ります。特に注目すべきは、その中央径間で、856メートルもあり、この長さが斜張橋の中では世界記録となっています。

橋の建設と歴史

ノルマンディー橋の建設プロジェクトは、1988年に始まりました。この橋を手がけたのは、ル・アーブルの商工会議所です。建設には7年の歳月がかかり、1995年1月20日に正式に開通しました。開通当初は、上海にある楊浦大橋（1993年に完成、602メートルの中央径間）を254メートル上回っており、斜張橋としては世界最長の記録を打ち立てていましたが、その後1999年に日本の多々羅大橋にその記録を破られました。

橋の構造

ノルマンディー橋の橋桁は幅23.6メートルで、通常は4車線の車道、2車線の自転車道、2本の歩道が設けられています。橋桁は主に二つの部分から成り立っています。中央部分は金属製で長さ624メートルあり、セーヌ川上空59.12メートルの高さに位置しています。また、この部分は32枚の桁板を組み合わせて構成されており、各桁板の長さは19.65メートル、厚さは3メートルです。残りの部分はプレストレスト・コンクリートで作られています。

主塔の特徴

主塔は、鉄筋プレストレスト・コンクリートで造られ、上下逆のYの字の形状をしています。その高さは214.77メートルであり、重さは約20,000トンにも達します。興味深いことに、地球の曲率の影響により、主塔間の距離は基部と頂上で4センチメートルのずれがあります。この特異な設計は、橋全体の安定性を確保するために不可欠です。

ケーブルの詳細

ノルマンディー橋には、全部で184本のケーブルが使用されています。これらのケーブルは、受ける応力に応じて31本から53本の鋼鉄のストランドを組み合わせて構成されています。また、ケーブルは特別なワックスとポリエチレンの鞘で保護され、屋外の厳しい環境から守られています。ケーブルの長さは95メートルから460メートルまで幅広く、設計には空力学的な考慮もなされています。

橋の利便性

ノルマンディー橋の開通以前は、ル・アーブルからオンフルールへ渡る際には14キロメートル上流にあるタンカルヴィル橋まで行かなければならず、所要時間は約45分でした。しかし、ノルマンディー橋の開通により、移動時間はわずか15分に短縮されました。

通行料金については、2026年まで有料で、料金はル・アーブルの商工会議所が徴収しています。また、ノルマンディー橋は日本の多々羅大橋と姉妹橋としても知られています。このように、ノルマンディー橋は技術的に優れた構造と交通の利便性を兼ね備えた重要な橋です。

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