ノンサッチ・レコード

ノンサッチ・レコード：ワールドミュージックのパイオニアから現代音楽シーンの重鎮へ

ノンサッチ・レコードは、アメリカを代表する老舗レコードレーベルです。1964年、エレクトラ・レコードの創設者であるジャック・ホルツマンによって設立されました。当初はヨーロッパのクラシック音楽を中心に展開していましたが、1960年代後半からはワールドミュージックにも積極的に取り組み、その先駆者的な役割を果たしました。現在では、ワーナーミュージックグループ（WMG）傘下で、多様なジャンルの音楽をリリースし続けています。

クラシックからワールドミュージックへ、そして現代音楽へ

創業当初、ノンサッチ・レコードは洗練されたクラシック音楽の録音で知られていました。しかし、ホルツマンの音楽への幅広い視野と、世界各地の音楽への関心の高まりから、次第にワールドミュージックへの活動が拡大していきました。アフリカ、ラテンアメリカ、キューバなど、世界各地の才能豊かなアーティストを発掘し、彼らが持つ独特の音楽性を世界に紹介する役割を果たしました。この大胆な戦略は、ノンサッチ・レコードを単なるクラシックレーベルから、ワールドミュージックの重要な担い手へと変貌させました。

ワーナーミュージックグループ傘下での発展

1970年、ノンサッチ・レコードは親会社であるエレクトラ・レコードと共にキニー・ナショナル・コーポレーション（後にワーナー・コミュニケーションズと改名）に買収されました。その後、2004年にはWMGの大規模な改編が行われ、エレクトラ・レコードはWMG本社に合併されました。この改編の中で、多くのアーティストが契約解除を余儀なくされましたが、ノンサッチ・レコードはWMGの主要レーベルとして生き残りました。むしろ、この改編を機に、新たなアーティストとの契約を結び、レーベルの活動をさらに発展させていきました。

多彩なアーティストの巣窟

ノンサッチ・レコードは、常に音楽シーンをリードするアーティストたちと積極的に契約を結んできました。そのアーティストの顔ぶれは実に多様です。ワールドミュージックの先駆者であるアマドゥ&マリアムやユッスー・ンドゥール、キューバ音楽の巨匠エディ・パルミエリ、フラメンコ界のジプシー・キングス、ジャズ界の重鎮パット・メセニー、ブラッド・メルドー、そして、ポップス、ロック、フォークなど、様々なジャンルで活躍するライ・クーダー、ジョニ・ミッチェル、ランディ・ニューマン、デヴィッド・バーン、ブライアン・ウィルソン、ウィルコ、ジョン・ゾーンなど、挙げればキリがありません。これら錚々たるアーティストたちが、ノンサッチ・レコードというレーベルの下で、それぞれの才能を存分に開花させてきました。

音楽史に刻まれた功績

ノンサッチ・レコードは、単に音楽作品をリリースするレーベルにとどまらず、音楽文化の発展に大きく貢献してきました。ワールドミュージックというジャンルを世界に広めた功績は特筆に値します。また、数々の革新的なアーティストを世に送り出し、音楽シーンを豊かにしてきました。今後も、ノンサッチ・レコードは、音楽業界を牽引し、時代を超えて愛される音楽を生み出し続けることでしょう。

関連情報

エレクトラ・レコード：ノンサッチ・レコードの親会社であり、音楽業界に大きな影響を与えたレーベルです。
ワールド・サーキット・レコード：ノンサッチ・レコードのアメリカ盤を配給しているレーベルです。

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