ノンブル

ノンブルの概念と役割

ノンブル（英: folio, page number, pagination）は、書籍の各ページに付与される番号を指します。このページ番号は、出版業界において極めて重要な役割を果たしています。これは、特に出典を示す際や、他の文献を引用する際に必要不可欠な情報です。

ノンブルという言葉は、フランス語の「nombre（数）」に由来しているという説や、英語の「number」が起源とする説があります。ノンブルは、それ自体が書かれている内容とは無関係で、単にページの前後関係を示すための記号に過ぎません。例えば、同じ書籍であっても、改版や序文の挿入、判型の変更によってノンブルは変わることがあります。また、ウェブメディアにおいては、その役割が薄れることがあります。これは、URLなどのハイパーリンクが代わりに情報の整理を助けるからです。

ノンブルの付与方法

ノンブルを付ける作業は「丁付け」と呼ばれ、アラビア[[数字]]、ギリシャ数字、場合によっては作品の言語に合わせた数字（漢数字など）が使用されます。一般的に表紙や裏表紙はページ数に含まれず、通常「表1」から始まります。また、「遊び紙」と呼ばれる空白ページもカウントしないことが多いです。

ノンブルの付け方には、主に「通しノンブル」と「別ノンブル」の2種類があります。通しノンブルは、前付、本文、後付のすべてのページに順番にページ番号を振る方法で、一続きの内容を持つ書籍に適しています。これに対し、別ノンブルは目次や序文と本文など、さまざまなセクションごとに独立したページ番号を振り直す方法です。

通しノンブルの特徴

通しノンブルでは、書籍全体のページが通し番号で連結されます。この方式は、特に論文や参考文献が多くのページを参照しやすくするために重要です。例えば、小説や一般的な書籍では、この方式が一般的です。

別ノンブルの特徴

一方で別ノンブルは、目次や序文が異なるノンブルを持つことが多く、一部の書籍では節ごとに異なるページ番号が付けられます。業務用製品の取扱説明書などでは、この方法が特に有用です。節番号と組み合わせてノンブルが表示される場合もあります。

加除式書籍とノンブル

加除式書籍では、ページが加えられたり削除されたりする際に特有のノンブルが使用されます。ページ数が追加されるときは「ノ丁」が使われ、減ると「欠丁」が使用されます。

ノンブルの配置と見え方

ノンブルを設置する位置に関しては、世界的な規則は存在しませんが、通常はページの中央や上下端の一定の位置に配置されます。ノンブルは自己主張せず、視認性が高い書体であることが求められます。

隠しノンブル

ページ数としてカウントされるが表示されないノンブルは「隠しノンブル」と呼ばれます。特に漫画やビジュアル面が強調される出版物では数ページごとにしか表示されないことがありますが、実際には裁断まで数字が残っています。

ノンブルの起源

ノンブルの概念は、書物の内部的な秩序を示すために生まれました。近代印刷の父であるグーテンベルクの聖書にはその記号が存在せず、ノンブルを追加したのはアルドゥス・マヌティウスと言われています。

ノンブルは書籍や出版物において必須の要素であり、ページの構造を理解しやすくするために重要な道具なのです。

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