ノヴァヤ・ラドガ

ノヴァヤ・ラドガ：歴史と水運の要衝の地

ノヴァヤ・ラドガは、ロシアのレニングラード州に位置する人口約7,400人の町です。サンクトペテルブルクから東へ約140km、ヴォルホフ川がラドガ湖に流れ込む場所に位置しています。近隣にはシャシストロイやヴォルホフといった街があり、数キロメートル上流にはロシア最初の首都とされる古都スタラヤ・ラドガが存在します。

歴史

15世紀、現在のノヴァヤ・ラドガの地にはニコロ＝メドヴェドスキー修道院が建立され、その周辺に集落が形成されました。しかし、上流に位置するラドガ（スタラヤ・ラドガ）の存在感が大きく、発展は緩やかでした。

転機が訪れたのは18世紀初頭、大北方戦争の時代です。ピョートル1世は、前線に近いこの地に造船所を建設し、修道院を要塞化。スタラヤ・ラドガの住民に修道院付近への移住を命じました。こうして新たに建設されたノヴァヤ・ラドガ（「新ラドガ」の意味）は、ヴォルホフ川とラドガ湖を経由したモスクワとサンクトペテルブルク間の水運の中継地として発展を遂げました。

18世紀から19世紀にかけて、ラドガ湖南岸を迂回するラドガ運河やヴォルガ・バルト水路が建設されると、ノヴァヤ・ラドガはさらに繁栄しました。しかし、1860年代に新しいラドガ運河が建設されたものの、鉄道がヴォルホフを経由するようになると、水運の重要性は徐々に低下していきました。

独ソ戦（1941年～1945年）中、ノヴァヤ・ラドガは赤軍の水上部隊の拠点となり、レニングラード包囲戦で孤立したレニングラード市への補給路として、ラドガ湖を経由した重要な役割を果たしました。2年間にわたり、湖上を通じた補給活動が続けられ、レニングラード市民の命を繋ぎました。

経済と観光

現在のノヴァヤ・ラドガでは、造船所、電子部品工場、繊維工場などが主な産業となっています。また、ラドガ湖での漁業も盛んです。

周辺には、15世紀に建立された修道院や18世紀の聖堂群、近隣のスタラヤ・ラドガの遺跡など、歴史的な見どころも多く存在します。これらの史跡は、ノヴァヤ・ラドガの豊かな歴史を物語っており、観光客にとっても魅力的なスポットとなっています。

ノヴァヤ・ラドガは、水運の要衝として栄えた歴史と、周辺に点在する歴史的遺産が魅力的な町です。静かな湖畔の町で、ロシアの歴史と文化に触れてみてはいかがでしょうか。

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