ノヴェラ

NOVELA（ノヴェラ）は、1980年代の日本のプログレッシブ・ロックシーンを代表するバンドの一つです。その音楽性は、プログレッシブ・ロックを基盤に、ハードロックやヘヴィメタルの要素を取り入れたもので、特に初期においては、耽美的な作風と卓越した演奏技術が特徴でした。本稿では、NOVELAの結成から解散、そして再結成に至るまでの軌跡を、前身バンドであるScheherazade（シェラザード）の活動と併せて詳細に解説します。

Scheherazade（シェラザード）の結成と活動

NOVELAの前身バンドであるScheherazadeは、1977年に結成されました。メンバーは、ジギーの大久保寿太郎(Ba)、元飢餓同盟の平山照継(Gt)、ジギーの五十嵐久勝(Vo)、元週末放浪者の引頭英明(Dr)と青方均(Key)でした。当初はパンドラというバンド名で活動していました。

1979年には、後にNOVELAの1stアルバム「魅惑劇」に収録される楽曲「少年期〜時の崖」が、ロッキンfのデモテープコンテストでグランプリを獲得。キングレコードからのレコードデビューが決定しますが、デビューを目前に解散してしまいます。

NOVELAの結成と初期の活動

Scheherazadeのレコードデビューの話は、キングレコードの上層部の意向により、同じく関西の実力派ハード・ロック・バンドであった山水館のメンバーを加えて、NOVELAとしてデビューすることになります。メンバーは、SCHEHERAZADEから平山、五十嵐、永川、秋田、山水館から高橋ヨシロウ(Ba)と山根基嗣(Gt)が選抜されました。

1980年にデビューアルバム「魅惑劇」を発表。その後も、「イン・ザ・ナイト」（1980年）、「パラダイス・ロスト」（1981年）などのアルバムをリリースしますが、ヘヴィメタルブームの影響もあり、高橋と山根が秋田を引き連れて脱退してしまいます。

第2期、第3期のNOVELA

メンバーチェンジを経ながらも、NOVELAは活動を継続します。1983年から1984年にかけて、山田ミネコ原作のマンガ「最終戦争伝説」のイメージ・アルバムを2枚発表し、話題となります。しかし、五十嵐と永川が脱退し、平山のみがオリジナルメンバーとして残ります。

平山はNOVELAを諦めず、宮本敦(Vo)と岡本優史(Key)を迎え、ニュー・ウェイヴの要素を取り入れた「ブレイン・オブ・バランス」（1985年）と「ワーズ」（1986年）で新境地を開拓しますが、商業的には成功せず、宮本の脱退により解散してしまいます。

解散後から現在まで

解散後、メンバーはそれぞれの道を歩みますが、1992年にScheherazadeが再結成。1995年にはNOVELAも再結成され、年1〜2回のペースでライブ活動を行っています。

2014年には、Japanese Progressive Rock Fes 2014に出演するため五十嵐がNOVELAの再結成を持ちかけましたが、永川しか応じず"NOVELA 2014"として参加しました。

Scheherazadeは現在も活動中です。2017年には、全曲平山書き下ろしとなるScheherazadeの4thアルバム「Once More」を発表しました。

NOVELAの音楽性と影響

NOVELAの音楽性は、プログレッシブ・ロックを基盤に、ハードロックやヘヴィメタルの要素を取り入れたものです。初期においては、耽美的な作風と卓越した演奏技術が特徴でしたが、メンバーチェンジや音楽性の変化により、ニュー・ウェイヴやネオ・プログレの要素も取り入れられるようになりました。

NOVELAは、日本のプログレッシブ・ロックシーンに大きな影響を与え、多くのフォロワーを生み出しました。その音楽性は、現在でも多くのバンドに受け継がれています。

バンド名の由来は、ルネッサンスのアルバム「お伽噺（おとぎばなし）」の原題 Novella から来ています。これは、ギタリストの平山照継がルネッサンスから大きな影響を受けたことに由来します。Scheherazadeの名前も、ルネッサンスのアルバム「シェラザード夜話」(Scheherazade And Other Stories)に由来します。

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