ノーザン州

ガーナ・ノーザン州：地理、気候、民族、そして紛争

ノーザン州は、かつてガーナ最大の州であり、ガーナ北部に位置していました。2019年にサバンナ州が分離したものの、本稿では分離前のノーザン州について解説します。州都はタマレです。

地理

ノーザン州はガーナの最北に位置し、アッパー・ウェスト州、アッパー・イースト州、ブロン＝アハフォ州、ヴォルタ州と隣接していました。また、西はコートジボワール、東はトーゴと国境を接していました。

気候と植生

サヘルやサハラに近いノーザン州は、ガーナ南部よりも乾燥した気候です。植生は主にサバンナで、バオバブやアカシアなどの乾燥に強い植物が群生しています。

雨季は5月から10月で、乾季は11月から4月です。年間降水量の平均は750mmから1050mm。乾季の終わり頃に最高気温となり、12月から1月頃に最低気温となります。12月から2月初旬には、サハラ砂漠からの熱風、ハルマタンが吹き荒れます。気温は夜間の14℃から昼間の40℃まで変動します。

経済

ノーザン州は、ガーナで最も開発が遅れている地域の一つです。経済活動人口の70%以上が農業に従事しています。人口密度が低い原因の一つとして、極度の貧困から移住する人々が多いことが挙げられます。

民族

ノーザン州は人口密度が低い地域です。言語的には、ニジェール・コンゴ語族のMole-Dagbane下位グループの言語が人口の52%を占めています。このグループの中で最大の民族集団は、ダゴンバ人とマンプルッシ人です。グルマ人とコンコンバ人は、人口の21%を占める大きな下位集団を形成しています。最大の民族集団はダゴンバ人で、人口の3分の1を占めています。

民族紛争

ノーザン州では、民族集団間の関係が不安定な状態にあります。特に、ダゴンバ人と「遊牧民」コンコンバ人の対立が深刻です。ダゴンバ人の多くは、コンコンバ人を土地を持たない侵略者と見なしており、植民地時代にダゴンバ人の土地に侵入してきたと考えています。しかし、この見方はコンコンバ人自身によって共有されておらず、科学的な調査によっても裏付けられていません。1994年には大規模な民族衝突が発生し、数千人の死者を出す事態となりました。

参考文献

Bogner, Artur 2000: The 1994 civil war in northern Ghana: The genesis and escalation of a tribal conflict, in: Carola Lentz & Paul Nugent (eds.), Ethnicity in Ghana. London/New York: Macmillan, 2000, pp. 183-203.

外部リンク

Districts of Ghana, Statoids
* GhanaDistricts.com

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