ノースポイント

2003年の初頭、北海道文化放送（UHB）は開局30周年の特別企画として、珠玉のテレビドラマシリーズ「ノースポイント」を放送しました。このシリーズは、北海道の広大かつ美しい自然景観を背景に、その地で暮らしを営む人々の人間模様を繊細に描いた、独立した四つの短編物語から構成されています。2003年1月26日から3月16日にかけて順次放映され、視聴者に深い感動を与えました。

シリーズの第一作として、「つばさ」は2003年1月26日に放送されました。この物語の主な舞台となったのは滝川市で、2002年11月9日から11月17日の期間に撮影が行われました。キャストには、主人公を演じた前田亜季をはじめ、萩尾みどり、草村礼子、河原さぶ、小市慢太郎といった実力派俳優陣が集結しました。制作スタッフとしては、監督を長澤雅彦が務め、脚本はシリーズを通して三澤慶子が担当しています。撮影は篠田昇、そして音楽はREMEDIOSが手掛け、作品世界を彩りました。

続く第二作は、「フレンズ」として2003年2月2日に放送されました。このエピソードは滝川市を含む様々な北海道の地域で撮影され、撮影期間は2002年3月7日から3月25日でした。若手からベテランまで幅広いキャストが出演しており、小山田サユリ、加瀬亮、水橋研二、そして当時注目を集め始めた沢尻エリカらが名を連ねています。監督は橋本直樹、脚本は三澤慶子、撮影は柳田裕男が担当しました。

第三作にあたる「ポートタウン」は、シリーズの中で唯一、複数話にわたる構成が取られました。2003年2月16日から3月2日まで、全三話として放送されました。この物語は港町である小樽市を舞台に展開され、撮影は2002年10月17日から11月4日にかけて行われました。主要キャストには、後の活躍が目覚ましい宮崎あおい、そして洞口依子、滝田裕介、大高洋夫、栗永奈生子、高杉瑞穂、岡本奈月、柳沢ななといった個性豊かな俳優陣が出演しました。監督は中井庸友、脚本は三澤慶子、撮影は柳田裕男が担当し、港町の風情と人間ドラマを描き出しました。

シリーズを締めくくる最終第四作は、「ファームサイドソング」です。2003年3月16日に放送されました。この物語も滝川市を主なロケ地とし、撮影は2002年7月30日から8月10日の期間で行われました。出演者には、橘実里、岡元夕紀子、そして実力派俳優として知られる大森南朋らが顔を揃えました。監督は橋本直樹、脚本は三澤慶子、撮影は柳田裕男が担当し、農業を営む人々の生活と心の機微を描きました。

「ノースポイント」シリーズ全体の企画は、北海道文化放送の中野聖と、第一作「つばさ」の監督も務めた長澤雅彦が手がけました。このシリーズは、北海道の美しい風景とそこで生きる人々の物語が高く評価され、放送後にはバンダイビジュアルよりDVDおよびビデオソフトとしてリリースされています。これにより、放送時に視聴できなかった人々も、後から作品世界に触れることが可能となりました。北海道を舞台にした地域発ドラマとして、その企画性とクオリティにおいて特筆すべきシリーズと言えるでしょう。

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