ノーバディ・トールド・ミー

ノーバディ・トールド・ミー（Nobody Told Me）

ジョン・レノンの「ノーバディ・トールド・ミー」は、1983年にリリースされた曲で、彼のアルバム『ミルク・アンド・ハニー』の先行シングルとして知られています。この曲の起源は、レノンが1976年に作成したほぼ完成状態の楽曲「Everybody's Talkin', Nobody's Talkin'」に遡ります。当時、彼は家庭生活に専念していましたが、すでにピアノとドラムマシンのバッキングでデモを録音していました。

1980年8月、レノンは『ダブル・ファンタジー』のレコーディング中にこの曲の題名やコーラス部分を改訂しましたが、最終的にはアルバムに収録されることはありませんでした。同年11月、彼の友人であるリンゴ・スターから新しいアルバムのために楽曲の提供を頼まれたレノンは、カントリー風の「ライフ・ビギンズ・アット・フォーティー」と本曲を提出することに決めました。彼はコラボレーションのためのデモをスターに渡し、1981年1月14日のレコーディングを約束しましたが、残念ながら12月8日にレノンが銃撃されて亡くなり、その約束は実現することはありませんでした。結果、スターもこの曲のレコーディングを断念しました。

その後、1983年にオノ・ヨーコは『ミルク・アンド・ハニー』を制作し、収録されていなかった曲を中心にこの作品を含めることに決定しました。シングルは自作の「オー・サニティ」とともにリリースされ、アメリカのビルボードチャートでは1984年3月3日に最高5位を記録し、年間ランキングでも79位となりました。1990年には、ボックス・セット『レノン』に収録されて再び注目を浴びました。

また、他の多くのコンピレーション・アルバムでも取り上げられ、1998年に発売された『ジョン・レノン・アンソロジー』にはアウトテイクも収録されています。2020年には新たにリミックスされリマスタリングされたバージョンが収められたアなどもリリースされています。

シングル発売時には、レノンの過去の映像を使ったビデオクリップも制作されました。2003年に発表されたDVD『レノン・レジェンド』では、「イマジン」のセッション映像に新たなリハーサル映像を加えた形で再編集されました。

歌詞には、他の著名な作品からの引用が見られます。「There’s a little yellow idol to the north of Katmandu」という文は、J・ミルトン・ヘイズの詩の一節を引用したものであり、また「There's UFOs over New York and I ain't too surprised」は、1974年のアルバムのブックレットに書かれていたレノンのUFOに関する主張を反映しています。さらに、コーラス部分の「Nobody told me there'd be days like these」は、シュレルズのヒット曲の一節を取り入れたものとされています。

収録曲（オリジナル・シングル盤）

• - ノーバディ・トールド・ミー
• - オー・サニティ

参加ミュージシャン

• - ジョン・レノン - ヴォーカル、リズム・ギター
• - アール・スリック - リード・ギター
• - ヒュー・マクラッケン - リード・ギター
• - トニー・レヴィン - ベース
• - ジョージ・スモール - キーボード
• - アンディ・ニューマーク - ドラム
• - アーサー・ジェンキンス - パーカッション

「ノーバディ・トールド・ミー」は、ジョン・レノンの音楽キャリアにおける重要な作品の一つであり、彼の独特な視点が色濃く反映されています。

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