ノーブルミッション

ノーブルミッション：名馬フランケルの弟、そしてG1ホース

ノーブルミッションは、イギリスで生産された競走馬であり、後に種牡馬としても成功を収めた名馬です。その名を世界に知らしめたのは、2014年の活躍でした。この年、彼は英チャンピオンステークス、サンクルー大賞、タタソールズゴールドカップと、3つのG1競走を制覇するという偉業を達成。その功績が認められ、同年にはカルティエ賞最優秀古馬に選出されました。

彼の兄は、史上最強馬との呼び声も高いフランケル。その影に隠れがちな存在ではありましたが、ノーブルミッション自身も並外れた才能の持ち主でした。しかし、キャリアの序盤は決して順風満帆ではありませんでした。デビュー戦では兄の主戦騎手、トム・クウィリーを背に挑みましたが、5馬身差で2着に敗れています。その後も、着実に力をつけながらも、なかなか勝ち星に恵まれない時期が続きました。

転機が訪れたのは4歳シーズン。この年から、ジェームズ・ドイル騎手とコンビを組みました。ドイル騎手は、ノーブルミッションの先行策が有効であると判断し、積極的なレース運びに転換。その戦略は見事に的中し、ゴードンリチャーズステークスで9馬身差という圧勝劇を演じました。勢いに乗ったノーブルミッションは、続くハスクリーステークスも制覇し、重賞を連勝。そして、ついに初挑戦となるG1競走、タタソールズゴールドカップで、前年のカルティエ賞最優秀3歳牡馬マジシャンを破り、GIホースの仲間入りを果たしました。

夏期にはフランスとドイツのG1レースにも挑戦。サンクルー大賞では、1着馬の降着によって繰り上がりでの勝利となりましたが、GI連勝を達成。さらにバイエルンツフトレネンでも2着と好走するなど、国際的な舞台でも高い競争力を示しました。そして、シーズン最終戦として挑んだ英チャンピオンステークス。不良馬場の中、逃げの戦法を選択すると、直線でアルカジームとの激しい叩き合いを制し、見事勝利。兄フランケルに続く、兄弟制覇という金字塔を打ち立てました。3カ国でのGI制覇は、彼の実力を雄弁に物語っています。

競走馬としてのキャリアを終えたノーブルミッションは、種牡馬として新たな道を歩み始めました。兄フランケルとの競合を避けるため、アメリカ合衆国のレーンズエンドファームで種牡馬生活を送ることに。初年度の種付け料は2万5000ドルと設定され、146頭の繁殖牝馬と交配。その後、2021年からは日本でも種牡馬として供用されることになりました。

彼の産駒からも、多くの活躍馬が輩出されています。中でも、コードオブオナーはアメリカでG2競走を含む複数の重賞を制覇。スパニッシュミッションもイギリスでG2競走を勝つなど、父譲りの才能を見せています。ノーブルミッションは、競走馬としての輝かしい功績だけでなく、種牡馬としてもその血統の偉大さを証明しつつあります。彼の血脈は、これからも競馬界に大きな影響を与え続けることでしょう。

[血統表]

[脚注]

[外部リンク]
レーンズエンドファームによる紹介
競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post

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