ノーミュージック・ノーウエポン

『ノーミュージック・ノーウエポン』

独自の世界観で人気を博すエアーバンド、ゴールデンボンバーが2015年6月17日に発表した2枚目のオリジナルアルバムが、『ノーミュージック・ノーウエポン』である。この作品はZany Zapからリリースされた。

アルバムの位置づけ

本作は、彼らにとって通算12作目のアルバムとしてカウントされる。アルバム作品としては、2013年にリリースされたベスト盤『ザ・パスト・マスターズ Vol.1』以来、およそ2年ぶりの新作となった。さらに、純粋なオリジナル楽曲のみで構成されたアルバムとしては、2012年の『ゴールデン・アルバム』以来、実に3年ぶりとなる、待望のセカンドオリジナルアルバムである。

タイトルに込められたメッセージ

アルバムタイトルである『ノーミュージック・ノーウエポン』には、バンド、特に作詞・作曲を手掛ける鬼龍院翔の強い思いが込められている。当初は「武器がなければ生きていけない」という意味合いから『ノーウエポン・ノーライフ』というタイトル案も存在したが、これは実現に至らなかったという。現在のタイトルには、まずシンプルに「私にとって音楽こそが最も重要な武器である」という意味が込められている。

それに加え、もう一つの深い意味合いも含まれている。それは、音楽活動を取り巻く様々な環境や人間関係の中で、自分たちらしい独自の表現スタイルやアイデンティティを何としても守り抜きたいという強い意志である。「自分らしさを失わないために、私は戦い続ける」という、アーティストとしての揺るぎない決意や、時には困難に立ち向かう覚悟が、このタイトルに集約されている。

販売形態

アルバムは、CD単体版とCD+DVD版の2種類の形態で発売された。興味深い点として、両形態の間で、歌詞カードをはじめとする封入物の内容に大きな違いは設けられていない。視覚的な差異は、主に帯の色（CDのみ版は赤、CD+DVD版は青）程度にとどまる。これについて、リーダー兼ボーカルの鬼龍院翔は、これまでに様々な販売戦略を試してきた中で、エアーバンドであるゴールデンボンバーの特性を考慮すると、この2形態に落ち着くのがファンにとっても最も分かりやすく、バンドとしても運営しやすいという判断に至ったと説明している。

チャートでの成功と歴史的快挙

『ノーミュージック・ノーウエポン』は、発売直後から大きな注目を集め、オリコン週間アルバムランキング（2015年6月29日付）において、初登場で堂々の1位を獲得した。初週の売上枚数は約4.8万枚を記録し、その人気の高さを示した。

この週間首位獲得は、前作のベストアルバム『ザ・パスト・マスターズ Vol.1』に続くものであり、ゴールデンボンバーにとってアルバム作品での2作連続週間ランキング1位達成という記録となった。これは日本の音楽業界において、インディーズ所属のアーティストとしては非常に珍しい快挙であり、特定のアーティストが2006年4月24日付で『Confidence』で達成して以来、実に9年2ヶ月ぶり、史上2組目という歴史的な偉業として音楽史に刻まれた。

加えて、ゴールデンボンバーがオリジナルアルバムで週間ランキングのトップに立ったのは、本作が初めての経験であった。これは、彼らがベスト盤のみならず、新曲を含む純粋なオリジナル作品においても、多くの音楽ファンから支持を集め、高いセールス実績を上げることができる実力を証明した出来事となった。

『ノーミュージック・ノーウエポン』の成功は、彼らがエアーバンドという独自のスタイルを貫きながらも、その音楽性、パフォーマンス、そしてエンターテインメント性が広く受け入れられていることの証であり、当時のゴールデンボンバーの勢いを象徴する作品と言える。

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