ノーラ B-52

ノーラ B-52：セルビア生まれの最新鋭自走榴弾砲

ノーラ B-52は、セルビアのVojnotehnički Institut社(Military Technical Institute Belgrade)が開発した155mm52口径の自走榴弾砲です。第4世代の火砲システムを搭載し、輸出およびセルビア国内での運用が行われています。

開発の経緯

最初のノーラB自走砲は、ノーラCを基に1984年にMTIによって設計されました。当時、トラック搭載砲(TMG)と呼ばれる種類の兵器を保有している国はユーゴスラビアを除いて存在しませんでした。初期のノーラBには、152mm榴弾砲ノーラM84が搭載され、セルビアPriboj社製の8x8トラック車台と第3世代火砲システムで構成されていました。

2000年代後半、MTI社は第4世代の火砲システムと155mm52口径の榴弾砲を搭載した新しいノーラファミリーをB-52として設計しました。

派生型

ノーラ B-52には、バージョンによって異なる多くの派生型が存在します。B-52の操作は完全に自動化されており、36発の自動装填が可能です。以下に主な派生型を示します。

K0: 最初の世代。オープントップ砲架を持ち、パワードライブは手動操作、光学照準でした。
K1(S): K0のセミオープン砲架から変更され、全自動の独立した自動弾道計算、自動発射、制御システムを実現し、必要人員を削減しました。
M03: セミオープン砲架。K0、K1設計に基づき自動化を進めたS仕様であり、セルビア軍に採用されました。
KE: セミオープン砲架。完全自動化された輸出仕様です。
K-I: K1に装甲化された完全自動化クローズド砲塔を搭載。新型の強力なシャーシ、砲塔に発射弾道および速度の測定用レーダーを持ち、NBC防護能力を備えたキャビンおよび砲塔があり、自動化された駐鋤システム、スモークグレネード発射機、キャビンと砲塔間の内線通話機能を備えたS仕様であり、セルビア軍に納入されています。
K2: 開発中の最新型であり、25リッターの砲室、より高い連射速度、レーザー誘導の長射程砲弾、より少ない人員、新しい自動化された機能、25tへの軽量化、砲の自動移動状態固定機能、新しいスモークおよびライトグレネードを備えています。

K設計はカマズ社のシャーシを使用しており、数字の指定は主兵装装備のレベルによります。要求があれば、B-52榴弾砲に152mm砲を装備させることも可能です。

全てのバージョンは異なるシャーシ、装甲、砲塔、装填および補助システムを持ち、自動化された装填システムを搭載し、１つの砲による複数発同時弾着(MRSI)が可能です。標準仕様にはコンピュータ化された砲制御システムおよび地表ナビゲーションシステムが搭載されています。防弾性能は小火器、榴弾の破片および地雷に対するものです。

採用実績

セルビアは、ノーラB-52戦場火砲システム(K1、KE、KIを含むB-52ファミリー、BOV M11偵察車、BOV M10指揮車、部隊砲制御および気象用車輌、弾薬運搬車など様々な車輌に搭載され、小隊用戦場火砲ソフト、部隊および分隊レベルが含まれる)をミャンマー、ケニヤ、バングラデシュに輸出しています。

完全装備の部隊は通常6-12両の自走榴弾砲、1-2両のBOV M11偵察車、3両のBOV M10指揮車(小隊ごとに1両、部隊に1両)、3-6両の弾薬運搬車、通信および作業車輌、2-3両の一般用補給車輌(燃料、食料、水など)および1-2両の砲撃指揮およびレーダーの搭載された火砲の目標指定用車輌で構成されます。

採用国

アルジェリア: 数は不明
[バングラデシュ]]: 18両のノーラB-52自走[[榴弾砲]を2011年に発注し、2013年に受領。12両が追加発注されています。
キプロス: 2023年時点で、キプロス国家守備隊が24両のノーラ B-52 アレクサンダーを保有しています。
ケニヤ: 30両が注文され、6両が稼働しています。
ミャンマー: 36両がミャンマー軍で稼働しています。
セルビア: 18両のノーラB-52を保有しています。

ノーラ B-52は、その高い機動性と火力、そして自動化された射撃システムにより、現代戦において重要な役割を果たす自走榴弾砲と言えるでしょう。

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