キプロス

キプロス共和国

キプロス共和国（ギリシャ語: Κυπριακή Δημοκρατία、トルコ語: Kıbrıs Cumhuriyeti）は、地中海東部に位置する国家で、主にキプロス島の南部および中央部を占めています。首都はニコシアで、EU加盟国でもあり、公用語はギリシャ語とトルコ語です。キプロスは、明確な国の標語を持っていませんが、国歌として「自由への賛歌」が存在します。

国名の由来

キプロスという名称は、古代ギリシャ語に由来し、イトスギや銅を示す言葉と関連しています。キプロスは、かつて銅鉱の主要な生産地であり、その名はラテン語や英語で「銅」を意味する単語の語源にもなっています。北部は、トルコ系住民による「北キプロス・トルコ共和国」が存在し、1974年以来分断されています。

歴史

初期の支配

キプロスの歴史は古く、オリエント諸国の支配を受けました。アッシリア、エジプト、ペルシア、その後はローマ帝国に組み込まれ、長い間キリスト教の影響を受けながら繁栄しました。

中世

10世紀には東ローマ帝国の支配下に再び入りますが、その後、十字軍の影響でイングランド王リチャード1世がキプロスを占拠。1192年以降はリュジニャン家に属し、1489年にヴェネツィアに譲渡されます。

近代

19世紀後半には、英国がキプロスの管理権を獲得。1914年にはイギリスがキプロスを一方的に併合し、植民地化が進みました。しかし1960年には独立を果たし、ギリシャ・トルコ関係の緊張が高まります。

分断とその後

1974年、ギリシャの支持を受けたクーデターにより、トルコがキプロスに侵攻。これによりキプロスは南北に分裂し、現在に至ります。この分断は、国際政治においても重要な議題となっており、和平交渉は続いていますが、成果は上がっていません。

政治システムと国際関係

キプロスはギリシャ系住民が集まり形成された政府を持ちますが、北部はトルコによる支配下で異なる要求が存在します。国連の平和維持軍が派遣されており、さまざまな国際的な交渉が行われています。

経済

キプロス経済は、観光産業に支えられてきましたが、最近では金融業や天然ガスの採掘が成長しており、経済発展を目指す動きが加速しています。南北両地域では経済格差が大きく、北キプロスは経済的に苦境に立たされています。

結論

キプロスはその歴史や文化、政治的背景から極めて複雑な国家です。今後の改良に向けた努力は続きますが、その実現には多くの課題が残っています。

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