ハイアライ

ハイアライ：バスク地方発祥のスピーディな球技

ハイアライ（バスク語: Jai Alai）は、バスク地方にルーツを持つユニークなスポーツであり、別名セスタ・プンタとも呼ばれます。1875年にセラフィン・バローハによって名付けられたこの球技は、バスク語で「楽しい祭り」という意味です。競技は、特別に設計されたグローブ「セスタ」を使用し、ボールを壁に向かって投げる際の遠心力を活かす形式で進行します。ハイアライは、日本でもバスク・ペロータの一種として知られていますが、そのスピード感から「世界最速のスポーツ」としても認知されています。

ハイアライの特徴

ハイアライの競技用ボールは、非常に高速で飛ぶ特徴を持ちます。バスク州政府は、ハイアライのボールが時速302kmに達した実績からそれを「世界最速のスポーツ」と主張しています。この記録は、アメリカのロードアイランド州ニューポートでの試合に由来するもので、実際には他の競技の記録が更新されるまでのものでした。この競技はスピードが求められるため、選手の安全が重要視されており、ボールによる接触で負傷するリスクがあります。

試合の進行

ハイアライのコートは、正面、背面、左右の側面の壁と床から成ります。プレイヤーがボールをこれらの壁以外の床面に触れさせたり、コートの境界を超えて投げたりした場合、失点となります。試合の形式は、8人によるラウンドロビンで、得点先取制が採用されています。チームは前衛と後衛に分かれ、サーブで試合が始まります。得点が入れば、ポイントを獲得したチームがコートに残り、次のチームと対戦するという流れです。

使用するボールは、金属糸で編まれた後、ヤギ革で包まれています。サーブ時には、選手はサービスラインの後ろからボールを打ち、ノーバウンドまたはワンバウンドで相手がボールを受けられなければ得点が入ります。このように、ルールが厳格に定められており、技術や戦略が勝敗を左右します。

国際的な影響

ハイアライの人気は主にラテンアメリカ諸国とフィリピンに広がっています。アメリカでは、特にフロリダ州で賭博として人気が高く、数多くのハイアライ競技場が存在しています。史上初のハイアライ場は1904年にセントルイスで設立され、現在も競技は継続されていますが、過去の盛況に比べると少しずつ減少する傾向にあります。

フィリピンでも歴史があり、1940年にはマニラに専用のハイアライビルが建設されましたが、政治的不祥事により一時禁止された後、2010年に復活を遂げました。また、中国の上海や天津では、かつてハイアライが競馬とともに賭博の一環として人気でしたが、現在はその歴史的な背景から競技が禁止されています。

日本における動き

日本では、1950年代にハイアライを公営競技化しようとする動きがありましたが、法案は成立しませんでした。現在のところ、公式な競技としては定着していないものの、ハイアライの関心は高まる可能性があります。バスク地域の文化やスポーツへの関心が強まる中で、ハイアライも再評価される日が来るかもしれません。

このように、ハイアライはその独特なルールとスピード感から、世界各地に影響を及ぼしています。今後もその魅力が広がることが期待されています。

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