ハイアールグループの概要
ハイアールグループ(
簡体字中国語: 海尔集团、
英語: Haier Group)は、
中華人民共和国の山東省
青島市を拠点とした
電機メーカーであり、世界的な企業グループです。代表者の張瑞敏氏は、
中国共産党の中央委員会の候補委員でもあります。ハイアールは、
冷蔵庫や
洗濯機といった
白物家電、
テレビ、エアコン、ラップトップパソコンなど多岐にわたる製品を製造し、165ヵ国以上で販売を行っています。
2008年の年間グローバル連結売上は1220億元(約1兆8300億円)に達し、
白物家電市場においては
2010年時点で世界的に第一位のシェアを誇っています。
歴史
ハイアールは
1984年1
2月に青島
冷蔵庫本工場として設立され、その後
西ドイツのリープヘル社との技術提携を経て、
1991年には琴島海爾集団と改名されました。その「琴島」は青島の古名であり、「海爾」はリープヘルの
中国語音訳から来ています。1992年に正式にハイアール集団と改称し、現在は香港と上海の証券取引所に上場しています。
さらに、活動を広げる中で、2005年には北京オリンピックのローカルスポンサーとしての役割を担い、2006年からは
NBAのスポンサーにも就任しました。特に、2016年には
ゼネラル・エレクトリックの家電部門の買収を行い、同社のブランドに関する長期ライセンスも取得しました。
日本での展開
ハイアールは
2002年にハイアールジャパンセールス株式
会社を設立し、
三洋電機と共に三洋ハイアール株式
会社を設立して、日本市場への進出を果たしました。その後、
冷蔵庫の製造をハイアールに委託するために「ハイアール三洋エレクトリック株式
会社」を設立し、3月には三洋ハイアール株式
会社が解散となりました。現在、日本での販売は主にハイアールジャパンセールス株式
会社を通じて、同社の
大阪府に本社を置いて展開されています。
2011年には
三洋電機がハイアールに対して
白物家電事業を行う9社の株式を売却し、以後、これらの製品は「AQUA」ブランドとして展開されることとなりました。また、国内のコインランドリー市場でも業務用
洗濯機部門を買収し、市場シェアを確保しています。
不祥事と事故
ハイアール製品の安全性に関しては、複数の不祥事が報告されています。
2010年には
広東省で8歳の女児がハイアールの
冷蔵庫に触れて感電死する事件が発生し、同様の事態がその後も続きました。こうした事故を受けて、ハイアールはユーザーに電気設備の注意を促しつつも、製品の安全性向上を徹底する姿勢を示しています。
広告とイメージ
ハイアールは、多様な広告手法を通じてブランドイメージを構築してきました。
2012年にはイメージキャラクターとして
小泉今日子を起用した企業CM『AQUAデビュー』を公開し、特に若い世代へのアプローチを強化しています。
このように、ハイアールグループは
電機メーカーとして、グローバルな展開や技術革新を追求しながら、様々な社会的な挑戦にも直面しています。