ハイイロミズナギドリ

ハイイロミズナギドリ

ハイイロミズナギドリ（灰色水薙鳥、学名：Ardenna grisea）は、ミズナギドリ目ミズナギドリ科に分類される海鳥の一種です。

分布

ハイイロミズナギドリは、ニュージーランド周辺の島嶼、オーストラリア大陸東部の島嶼、南アメリカ大陸南部の島嶼で繁殖します。繁殖しない時期は、北太平洋のベーリング海付近や北大西洋のグリーンランド南部まで北上し、広大な海域を回遊します。

日本では繁殖は確認されていませんが、太平洋側の沖合ではほぼ一年を通して観察することができます。特に4月から6月にかけては、北上する個体が多いため、比較的よく見られますが、それ以外の季節、特に冬期には観察される数が少なくなります。

形態

ハイイロミズナギドリの全長は約46cm、翼を広げた際の長さは94cmから109cmほどです。全身が暗褐色をしており、体の下面はやや色が薄くなっています。よく似た種類の鳥にハシボソミズナギドリがいますが、ハイイロミズナギドリは翼下面の下雨覆が白いことで区別できます。

分類

以前はミズナギドリ属（Puffinus）に分類されていましたが、近年、遺伝子に基づいた研究が進み、その結果に基づいて、現在はハシボソミズナギドリ属（Ardenna）に分類されるようになりました。

生態

ハイイロミズナギドリは、繁殖期以外は外洋で生活します。数百羽以上にもなる大きな群れを形成することもあります。飛び方は、翼の動きが速く、やや浅く硬い印象を与えます。翼の先端で羽ばたき、長い時間、直線的に低空を滑空する特徴があります。

食性は動物食で、甲殻類、軟体動物、魚類などを捕食します。潜水して餌を捕獲することが比較的多いです。

保全状況

ハイイロミズナギドリは、IUCN（国際自然保護連合）のレッドリストにおいて、2001年の評価でLEAST CONCERN（軽度懸念）に分類されています。

参考文献

叶内拓哉『山渓ハンディ図鑑7　日本の野鳥』、山と渓谷社、1998年
桐原政志『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版、2000年
真木広造他『日本の野鳥590』、平凡社、2000年
箕輪義隆『海鳥識別ハンドブック』、文一総合出版、2007年

関連項目

* 日本の野鳥一覧

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