ハイパーダイヤモンド

ハイパーダイヤモンド（ADNR）とは

ハイパーダイヤモンド、またはダイヤモンド・ナノロッド凝集体（Aggregated Diamond Nanorod、略称:ADNR）は、フラーレンを原料として製造される革新的な物質です。この材料は、市販されている多結晶ダイヤモンドと比較して、約3倍も優れた破壊靱性と耐摩耗性を持つことで知られています。関連する物質としては、CNT（カーボンナノチューブ）を用いた超硬度ナノチューブがあり、どちらもナノダイヤモンドに分類されます。

特徴

ハイパーダイヤモンドの最も注目すべき特徴は、その驚異的な硬度です。原子間力顕微鏡を用いた測定では、ハイパーダイヤモンドの硬さは290から310ギガパスカルという非常に高い値を示しており、これは同じ測定法を用いたダイヤモンド（IIa型 111面で137-167ギガパスカル）や立方晶窒化ホウ素（約60ギガパスカル）を大きく上回ります。さらに、ESRF（欧州シンクロトロン放射光施設）によるビッカース硬度マイクロ測定では、ADNRが最も硬い天然ダイヤモンド（type IIa 111面）に傷をつけることが確認されました。密度についても、ハイパーダイヤモンドは通常のダイヤモンドよりも0.2から0.4%高いとされています。

また、ハイパーダイヤモンドの圧縮率も特筆に値します。この材料の圧縮率は491ギガパスカルであり、ダイヤモンドの442ギガパスカルを上回ります。結晶構造の観点から見ると、その距離は5から20ナノメートル、長さは1マイクロメートルとされています。

製法

ハイパーダイヤモンドの製造には、フラーレン粉末または固体が用いられます。研究によれば、ダイヤモンドアンビルセルを用いて常温で約37ギガパスカルまで圧縮することで、約18ギガパスカル以上の圧力から硬度相への変化が始まることが示されています。また、高温（300-2500ケルビン）かつ高圧（2-20ギガパスカル）の環境下でも生成可能であることが確認されています。

関連情報

関連項目:

炭素の同素体: グラファイト、フラーレン、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、ナノグラフェン、グラフェンナノリボン、ナノカーボン
ナノテクノロジー
超硬度材料
ダイヤモンド
ロンズデーライト
超硬度ナノチューブ

外部リンク:

* Diamonds are not forever (2005年8月26日) - ウェイバックマシン（2011年12月10日アーカイブ分）

ハイパーダイヤモンドは、その優れた特性から、将来的に様々な産業分野での応用が期待されています。この革新的な材料が、今後の技術革新にどのように貢献していくのか、注目が集まります。

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