ハイファッション

ハイファッション（Hi FASHION）

『ハイファッション』は、かつて文化出版局から発行されていた隔月刊のファッション雑誌です。1960年に創刊され、2010年4月号で休刊となりました。創刊編集長は今井田勲が務めました。

概要

『ハイファッション』は、パリ、ミラノ、ニューヨーク、ロンドンといった世界の主要都市のコレクションや、著名なファッションデザイナーの展示会を中心に紹介し、日本のファッションシーンにおいて「モード系」というスタイルを確立する上で重要な役割を果たしました。

1986年8月号（通巻148号）からは月刊誌となり、発行人は大沼淳、編集人は今井田勲、編集長は久田尚子が担当しました。2005年6月号では大幅なリニューアルが行われ、誌面はバイリンガル表記となりました。このリニューアルでは、『ミスター・ハイファッション』の編集長であった田口淑子と、同誌のアート・ディレクターであった二本木敬が迎えられました。2009年2月号からは、羽場由美子が編集長を務めました。

2010年2月27日に発売された4月号が最終号となり、休刊となりました。最終号では、「コム デ ギャルソン 自由編集」と題した60ページにわたる大特集が組まれ、業界内で大きな話題を呼びました。これにより、『ハイファッション』は、創刊から半世紀の歴史に幕を閉じました。

休刊後、2010年4月からはオンライン版「high fashion ONLINE」がスタートしましたが、現在は終了しています。2012年7月21日には、『ハイファッション』初のアーカイブ本となる「high fashion DESIGNERS INTERVIEW」が発売されました。この書籍は、国内外のファッション情報に加え、関連するカルチャーも取り上げ、休刊に至るまでのアーティスティックな誌面を振り返る内容となっています。

特に、毎号掲載されていたファッションデザイナーのインタビューは、『ハイファッション』を象徴する記事でした。若手から大御所まで、多くのデザイナーの個性や創作活動を紹介し、読者に深い影響を与えました。2005年から2010年にかけて掲載されたインタビューから、現在も第一線で活躍する55組のデザイナーが選ばれ、「デザイナーが語るファッション」「デザイナーとカルチャーの関係」「東京のデザイナー」「海外のデザイナー」といった多角的な視点から構成されています。これらのインタビューを通して、ファッションのみならず、時代の感性を捉えることができるでしょう。書籍の巻頭には、写真家のホンマタカシが撮影した、東京で活躍する8組のデザイナーのポートレートが掲載されています。

2012年8月3日には、「ハイファッション デザイナーインタビュー」の刊行を記念したトークショーが、東京・代官山 蔦屋書店で開催されました。出演者は、ユナイテッドアローズのクリエイティブアドバイザーを務める栗野宏文、『ミスター・ハイファッション』と『ハイファッション』で編集長を務めた田口淑子、『装苑』や『ハイファッション』などで副編集長を務めた西谷真理子でした。トークショーでは、『ハイファッション』がファッション界にもたらした影響や、毎号企画されたデザイナーのインタビューの意義、取材時の裏話などが語られました。

1980年には、姉妹誌である『ミスター・ハイファッション』が創刊されましたが、2003年に『ハイファッション』に統合される形で休刊しました。

歴代アート・ディレクター

江島 任
リチャード・ラトリッジ
仲條正義
伏見文男
河野鷹思
木村裕治
小島良平
白石良一
二本木 敬
佐久間啓仁

関連作品

書籍

『high fashion DESIGNERS INTERVIEW』文化出版局、2012年7月21日。ISBN 978-4-579-30441-7 ／ アート・ディレクター：佐久間 啓仁
『About Yohji Yamamoto from 1968 ： 山本耀司。モードの記録。モードの意味を変えた山本耀司の足跡を探して。』 ／ アート・ディレクター：二本木 敬

もう一度検索