ハイポジ(HIGH POSITION)
『ハイポジ』は、
漫画家きらたかしによって描かれた日本の
漫画作品で、
双葉社が発行する青年
漫画雑誌『
漫画アクション』にて、
2017年から
2018年にかけて連載されました。全5巻から成り、シリーズは
2020年に
テレビドラマ化もされました。タイトルは、かつてのハイポジション
カセットテープに由来しており、中高音域の録音特性に優れたことが特徴です。
あらすじ
物語の主人公は天野光彦という46歳の中年男性です。彼は職場でリストラに遭い、妻から離婚を切り出され、人生の失意に沈む日々を送っています。そんなある日、偶然訪れた風俗店で火事による事故に巻き込まれ、気を失ってしまいます。目を覚ました光彦は、なんと1986年にタイムスリップしており、当時の16歳の姿の中に意識が宿っていました。
彼は過去の世界での生活を再び手に入れ、16歳としての青春を再体験することになります。高校時代の淡い恋心を抱いていた同級生小沢さつき、そしてのちに結婚することになる司幸子との間で心の葛藤が生じます。光彦は過去の自分としての選択をしながら、取り戻した青春を楽しむことに決めます。新たな友情や恋愛を築きながら、彼は自分自身を見つめ直すことになります。この作品は、青春の「やり直し」をテーマにした感動的なストーリーです。
登場人物
天野光彦
- - 1986年: 16歳の高校生。未来からの意識を持ち、当時の肉体に宿る。過去の選択をやり直すべく、積極的に青春の経験を重ねる。
- - 現在: 地味で冴えない会社員。家庭内で孤立し、妻と娘との関係も希薄になっている。
小沢さつき
光彦の初恋の美少女で、
ポニーテールがトレードマーク。高校入学時に転校生としてやってきた彼女は、家族の事情を抱えながら日々を過ごしています。
司幸子
今の光彦の妻で、未来において光彦と結婚する運命の相手。お互いの関係が薄れていく中、光彦の意識の変化によって再び光彦の心に入り込む。
その他のキャラクター
- - 馬場真 (光彦の悪友)
- - 丸尾佳代 (幸子の親友)
- - 光彦の家族:父・憲夫、母・侑子、妹・靖子など、彼の過去と現在を照らし合わせる重要な役割を果たします。
書誌情報と受賞歴
『ハイポジ』は
2017年から
2018年にかけて連載されていた作品で、すでに全5巻が出版されています。また、
2020年には『ハイポジ 1986年、二度目の青春。』として
テレビドラマ化もされました。ドラマでは、1986年当時の光彦を中心に、懐かしの楽曲やファッションが登場し、視聴者に強いメッセージを伝えています。
ディスカッションポイント
この作品は、「過去をどう生きるか」というテーマを掘り下げ、読者や観客に深い感情を呼び起こします。また、再生の機会が与えられた主人公の選択は、人生の選択肢について思考を促します。青春をやり直すことの喜びと辛さ、その双方を描いた作品です。
『ハイポジ』は、過去の経験を持ち越すことで得られる視点を通じて、どのように人生を築いていくかを考えさせる作品です。