ハイヤー・ラヴ

スティーヴ・ウィンウッド「ハイヤー・ラヴ」

「ハイヤー・ラヴ」(Higher Love)は、イギリスのロック・ミュージシャン、スティーヴ・ウィンウッドが1986年に発表した楽曲です。アルバム『バック・イン・ザ・ハイ・ライフ』からの第1弾シングルとしてリリースされ、彼のキャリアを代表する一曲となりました。

楽曲の特徴

この楽曲は、チャカ・カーンがバッキング・ボーカルで参加している点が大きな特徴です。彼女のパワフルな歌声が、ウィンウッドのヴォーカルと見事に調和し、楽曲に深みを与えています。また、トム・ロード＝アルジによるリミックス・ヴァージョンが収録された12インチ・シングルもリリースされ、クラブシーンでも人気を博しました。

世界的な成功

「ハイヤー・ラヴ」は、イギリスとアメリカの両方で大きな成功を収めました。全英シングルチャートでは13位に達し、自身初の全英トップ40シングルとなりました。アメリカでは、Billboard Hot 100と『ビルボード』のメインストリーム・ロック・チャートの両方で1位を獲得し、『ビルボード』のアダルト・コンテンポラリー・チャートでは7位に達するなど、幅広い層に支持されました。さらに、グラミー賞では最優秀レコード賞と最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞し、音楽史にその名を刻みました。

様々なメディアでの使用

「ハイヤー・ラヴ」は、数々の映画やゲームのサウンドトラックで使用されています。代表的なものとしては、『張り込み』（1987年公開）、『ビッグ・ビジネス』（1988年公開）といった映画が挙げられます。また、2013年にはコンピュータゲーム『グランド・セフト・オートV』のサウンドトラックにも使用され、若い世代にも改めて楽曲の魅力が伝わるきっかけとなりました。

カバー・バージョン

「ハイヤー・ラヴ」は、多くのアーティストによってカバーされています。

ジェイムス・ヴィンセント・マクモローによるカバー

アイルランドの歌手ジェイムス・ヴィンセント・マクモローは、2011年5月にリリースされたチャリティ・アルバム『Silver Lining』に「ハイヤー・ラヴ」のカヴァーを提供しました。同年にはシングルとしてもリリースされ、マクモローにとって初の全英シングルチャート入りを果たすなど、話題となりました。その後、オーストラリアやアイルランドでもナショナル・チャート入りを果たしています。

カイゴとホイットニー・ヒューストンによるカバー

2019年には、カイゴとホイットニー・ヒューストンによるカバー・バージョンがリリースされ、世界中で大ヒットを記録しました。このバージョンは、元々ナラダ・マイケル・ウォルデンのプロデュースによるホイットニー単独のカバー・バージョンが、1990年発表の3枚目のスタジオ・アルバム『アイム・ユア・ベイビー・トゥナイト』の日本盤ボーナストラックとして発表されていたものを、カイゴがリワークしたものです。時代を超えて、ホイットニーの歌声が新たな命を吹き込まれ、多くの人々に感動を与えました。

その他のカバー

ラス・フリーマンも、アルバム『ドライヴ』（2002年）に日本盤ボーナス・トラックとして「ハイヤー・ラヴ」を収録しています。

「ハイヤー・ラヴ」は、時代を超えて愛される名曲として、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

もう一度検索