ハイレマリアム・デサレン

ハイレマリアム・デサレン：エチオピアの政治家

ハイレマリアム・デサレン・ボシェ（Hailemariam Desalegn Boshe）は、1965年7月19日生まれのエチオピアの政治家です。2012年から2018年まで同国の首相を務め、エチオピアの政治と経済に大きな影響を与えました。

生い立ちと教育

ハイレマリアムは、南部諸民族州のウォライタ族出身です。幼少期を故郷で過ごし、アディスアベバ大学で土木工学の学位を取得しました。その後、アーバ・ミンチ・ウォーター・テクノロジー研究所（現アーバ・ミンチ大学）で助手として勤務し、フィンランドのタンペレ工科大学で衛生工学の修士号を取得。さらに、アメリカ合衆国のアズサ・パシフィック大学で組織指導論の修士号を取得しています。教育分野でも卓越した経歴を持ち、ウォーター・テクノロジー研究所の学部長を13年間務めました。

政治への関与

1990年代後半から2000年代初めにかけて、ハイレマリアムはエチオピア人民革命民主戦線（EPRDF）の党員として政治に関与し始めました。南部諸民族州の副知事を経て、2001年から2006年まで同州の知事を務めました。2010年には副首相兼外相に昇進し、メレス・ゼナウィ政権下で重要な役割を担いました。2012年8月のメレス首相の死去後、首相代行を務め、同年9月には正式に首相に就任しました。また、2013年にはアフリカ連合の議長も務めています。

首相としての業績と課題

ハイレマリアム首相は、前政権の経済政策を引き継ぎ、「成長と構造改革計画（GTP II）」を推進しました。この計画の下、エチオピアは経済成長を続け、2014年には世界一の経済成長率を記録しました。アディスアベバ・ライトレール、ジブチ・エチオピア鉄道、グランド・ルネッサンス・ダムなどのインフラ整備も積極的に行われました。

しかし、ハイレマリアムの首相在任中には、大規模な抗議活動も発生しました。2015年から2016年にかけての反政府デモでは、治安部隊との衝突により多数の犠牲者が出ました。この責任を取り、2018年2月に首相とEPRDF議長の両方を辞任しました。2018年4月2日に正式に退任。

その他の活動と発言

ハイレマリアムは、国際的な場でも積極的に活動し、日本やソマリアなどの各国首脳と会談を行いました。また、ネルソン・マンデラの国葬ではスピーチを行い、その言葉は多くの人々の心に響きました。

彼の発言として、「われわれが正義や解放、そしてなにより人間の尊厳の神聖さの理想を真剣に追い求め続けるなら、どれほど見込みが薄かろうとも、究極的には悪に打ち勝つことができるだろう」という言葉が知られています。これは、彼の信念と情熱を象徴する言葉と言えるでしょう。

ハイレマリアム・デサレンは、エチオピアの歴史において重要な役割を果たした政治家の一人です。彼の業績と課題は、今後のエチオピアの発展を考える上で、重要な教訓となるでしょう。

まとめ

ハイレマリアム・デサレンは、エチオピアの政治、経済、社会に大きな影響を与えた人物です。その功績と課題は、今後のエチオピアの発展を考える上で、重要な示唆を与えるでしょう。

首相としての業績としては、経済成長を促進し、インフラ整備を推進したことが挙げられます。一方で、大規模な抗議活動や人権問題にも直面し、政治的な課題も残しました。彼の遺した功績と課題は、エチオピアの未来を考える上で、重要な教訓となるでしょう。

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