ハインケル P.1078

ハインケル P.1078

ハインケル P.1078は、1944年にドイツ空軍向けに開発が進められた緊急戦闘機計画に基づく単座の迎撃機です。この計画は、第三帝国が高高度での脅威に対抗するために導入したものであり、特にB-29爆撃機のような敵機に対しての効果的な対抗手段を模索していました。

経緯

1945年初頭、ドイツ空軍総司令部（OKL）によって、He 162「フォルクスイェーガー」の後継機として新たな戦闘機計画が始まりました。この新型機は、より高度な性能を持つことが求められ、他の航空機メーカーが提案した設計と比較されることになりました。特に、メッサーシュミット P.1110、フォッケウルフ Ta 183、ブローム・ウント・フォス P.212、ユンカース EF 128が注目されました。その中でユンカースの設計が優れたものとして選ばれましたが、ハインケル社の設計思想には厳しい意見も寄せられました。結果的に、P.1078の計画は1945年2月末に終了しました。

派生型

ハインケル P.1078には、完全に異なる3つの派生型が存在しました。すべての設計は単座の戦闘機であり、後退翼を持っていたことが特徴です。これらの機体は40度の後退角を持ち、製造には木材が使用されました。全ての機体に付けられたウィングチップは下方に角度を持ち、動力源はすべてハインケル HeS 011ターボジェットエンジンでした。

P.1078 A

P.1078 Aはジェット機能を備えた迎撃機で、3つの設計の中で最も伝統的な外観を持つもので、特徴的に尾翼を有していました。兵装としては、MK 108機関砲を2門装備しており、戦闘能力が強化されています。

P.1078 B

P.1078 Bは、短い胴体を持つ非対称の無尾翼設計が特徴の迎撃機です。エンジンの空気吸入口は胴体の中央部分に設けられ、コックピットは左側に配置されています。右側の胴体には主脚が内蔵されており、独特なデザインが施されています。

P.1078 C

P.1078 Cも無尾翼の迎撃機として計画されており、P.1078 Bと似ているものの、単一の短い胴体が特徴です。ウィングチップの角度は、P.1078 Aよりもさらに顕著で、空力特性の向上が図られています。

関連項目

• - 緊急戦闘機計画
• - ブローム・ウント・フォス P.212
• - フォッケウルフ Ta 183
• - ユンカース EF 128
• - メッサーシュミット P.1101
• - メッサーシュミット P.1110

参考文献

この機体に関する詳細な情報は、当時の軍事文献や設計資料に基づいており、さまざまな視点から評価されています。特に、ハインケル P.1078は、技術的革新が求められた時代において、航空技術の進化を示す重要な事例として位置付けられています。

もう一度検索