ハウス・ショー

ハウス・ショーについて

ハウス・ショー（House Show）は、主にプロレスはWWEを中心に行われる、テレビ中継が無い公演を指します。これは観客の前で展開されるもので、試合の進行が自由であるため、レスラー達の実力を存分に発揮できる場となっています。特に、放送時間を意識することなく長時間の試合が行われることがしばしばあり、観客にとっては一層見ごたえのあるパフォーマンスが楽しめます。

アメリカにおけるハウス・ショー

アメリカのプロレス界では、ハウス・ショーはテレビ番組のストーリーラインに縛られず、レスラーが普段見せないパフォーマンスを披露する貴重な機会です。このため、レスラーは自分の技術を自由に表現でき、多くの場合、普段は見ることのできない長時間の試合も行われます。ただし、試合がテレビで放送されないことを良いことに、お約束の展開に終始するプロレスラーもいるため、一概には楽しめるばかりとも限りません。

他にも、ビッグマッチの前に行われる予行演習として、同じカードの試合が組まれることがあり、この場合、王座が移動することはほとんどありません。これは今後のストーリー展開に影響を及ぼさないためです。

また、ハウス・ショーはレスラーの新しいギミックのテストや、観客の反応を知るための場としても利用されます。WWEは毎年約200試合のハウスショーを行っており、それらの約60%を占めています。2005年の「ROAD TO WRESTLEMANIA 21 JAPAN TOUR」など、まれにテレビ放送されるイベントもありますが、基本的には観客のための直の興行として行われています。

日本における類似の形式

日本では、ハウス・ショーに相当する用語として「ノーテレビ」が使用されます。異なる理由でテレビ中継が行われない興行が多く、1979年の「プロレス夢のオールスター戦」では各団体のテレビ局との契約により、メインイベント以外はノーテレビで行われました。しかし、ノーテレビ開催の理由は政治的な要素が絡むこともあり、他の国と比べて複雑な側面も持っています。例えば、一時期の国際プロレスでは金網デスマッチがあまりの過酷さから、テレビ中継が行われない決まりがありました。

さらに、NEO女子プロレスの「NEOハウスショー」という概念は、アメリカのハウス・ショーにならったもので、地方巡業のイベントを指します。ただし、日本のインディ団体では常打ちと呼ばれる自前の会場で行われる興行がハウス・ショーと称されることもあります。

また、ファイティングオペラ「ハッスル」にて展開される「ハッスル・ハウス」というシリーズは、「ハウス・ショー」に由来しますが、こちらは全国各地で行われる興行に関連しており、テレビ中継も行われています。

メキシコの状況

メキシコでは、1980年代までテレビ中継が禁止されており、地域によってはハウス・ショーのような興行が広く行われていた時代もあります。

このように、ハウス・ショーは国によって若干の異なる形態を持ちながらも、プロレスファンにとって重要なイベントであることに変わりはありません。

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