ハカム1世

ハカム1世（後ウマイヤ朝第3代アミール）

ハカム1世（al-Hakam 1st, 771年 - 822年）は、796年から822年までアンダルスを統治した後ウマイヤ朝の君主です。

生涯

「ハカム1世」は欧米での慣用的な呼び名であり、アラビア語史料では、コルドバ郊外で起きた反乱にちなんで「al-Ḥakam al-Rabaḍī」と呼ばれることが多いです。スペイン語では「Alhakén」、「Alhaquén」と表記されることもあります。

ハカム1世は、アブドゥッラフマーン1世の孫、ヒシャーム1世の子として生まれました。兄の死後、後ウマイヤ朝を継承しますが、叔父のスライマーンとアブドゥッラーが王位を主張し、内紛が発生します。アブドゥッラーはシャルルマーニュに援軍を要請、スライマーンはコルドバを攻撃しますが、ハカム1世によって鎮圧されます。

ハカム1世の治世は、トレド、サラゴサ、メリダなどで反乱が頻発し、その鎮圧に多くの時間を費やしました。コルドバをアミールとする陰謀も事前に露見し、806年には、宴会の席で貴族を含む多数の出席者を処刑する事件も起こりました。反乱軍やキリスト教徒領への侵攻時には、敵の首を城門に晒すなど、その残酷さは際立っていました。

コルドバでの反乱後、ハカム1世は身辺警護を強化し、親衛隊を組織します。親衛隊長には、西ゴート王国の貴族階級出身のラビが任命されましたが、後に失脚し処刑されています。

818年には、コルドバの郊外に集まっていた知識人たちを弾圧し、多数を処刑、追放しました。追放された人々は、フェズやアレクサンドリアなど各地へ移住、中には海賊に合流し、クレタ島の占領に参加した者もいました。

ハカム1世は822年に死去。26年に及ぶ統治を終えました。

家族

父親はヒシャーム・ブン・アブドゥッラフマーン、母親はズフルーフという名の側室です。

ハカム1世は多くの子をもうけました。

アブドゥッラフマーン2世: 次代アミール
al-Mughira
Said
Umayya
ワーリド・ブン・ハカム：838年のガリシア侵攻軍を率いた。

妻の一人であるアジャブは、重い皮膚病患者のための施設を建設し、ワクフ財で運営しました。アジャブは以下の子供たちの母親です。

アブー・アブドゥルマリク・マルワーン

また、ムトアという妻は墓地を設立し、その墓地は10世紀まで存在しました。

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