ハタタケル

ハタタケル（1978年 3月17日生）は、作家、イラストレーター、年賀状クリエイター、セミナー講師として活動するほか、手相家や気学コンサルタントの顔も持つ、多岐にわたる分野で才能を発揮する表現者である。

長野県小諸市に生を受けた彼は、長野県野沢北高等学校を経て、神奈川大学工学部（電気工学専攻）に進学するために神奈川県に移り住んだ。大学卒業後、一度は会社員として社会に出るが、約一年で退職。その後、自身の進むべき道を見つけるための模索を開始する。この期間には、東京ディズニーシーの開業を支えるオープニングスタッフとして働いた経験や、東京コピーライター養成講座での学びがある。

彼の活動の原点ともいえる独自の取り組みは、2002年 1月28日に始まる。この日以来、彼は渋谷駅前の忠犬ハチ公像のそばに座り、行き交う人々の抱える悩みや話に耳を傾け、その一人ひとりに向けた言葉と絵を贈り届ける活動を続けた。真摯に人々と向き合い、心に寄り添うメッセージを紡ぎ出すこの活動によって、これまでに言葉と絵を届けた人々の数は、現在までに2万人から3万人に達すると言われている。この路上での活動は、およそ三年半にわたって続けられた。

この独自の活動がメディアなどで注目を集める中で、彼は年賀状クリエイターとしても才能を発揮する。2003年に手掛けたファミリーマートの年賀状は約50万枚という大ヒットとなり、彼の名前は全国に広く知られることとなった。この成功を機に、彼はファミリーマートの年賀状企画における中心的なクリエイターとして、以降毎年デザインを手がけることとなる。2002年の未年向けに始まり、2024年の辰年向けまで、20年以上にわたり彼の温かいデザインは多くの人々に届けられ続けている。

活動の場は路上からアトリエ、そして全国へと広がっていく。2004年 4月頃、彼は代官山に自身の名を冠したアトリエ「ハタタケル」を開設し、創作活動の新たな拠点を構えた。同年11月頃には路上での活動に一区切りをつけ、アトリエを主軸とした制作活動に本格的に移行する。アトリエでの制作活動に加え、彼の表現活動はさらに多様化していった。書籍の執筆・出版をはじめ、商品のデザイン、写真作品の制作発表、他のアーティストへの歌詞提供、各地での講演会やセミナー、大学などでの講義、さらには様々なアーティストとの共同企画など、その活動領域はジャンルを問わず多岐にわたる。

2007年夏頃にアトリエを離れた後も、その精力的な活動は衰えることを知らない。ラジオ番組のパーソナリティを務めるなど、メディアを通じた発信にも力を入れ、活動の幅を広げ続ける。また、2007年 11月20日には、自らが発行人を務める無料配布・無料購読の情報紙『ハタにゅうす〜欲しい人に欲しい所へ〜』を創刊した。これは、「情報が必要な人のもとへ必要な形で届けたい」という彼の強い思いが込められたものである。

クリエイターとしては、長年にわたるファミリーマートの年賀状制作のほか、デイリーヤマザキの秋のキャンペーン商品デザインなども手がけている。

また、作家としても多くの著作を世に送り出している。特にファミリーマートとの共同企画による限定本は、多くの読者から支持を集めた。2004年に刊行された『ほら、幸せはいつもここにあるよ。』をはじめ、『あなたはここに在るよ。いつだって。』（スターツ出版）、『明日はきっと、大丈夫。』、『ずっと待っていたよ。あなたのこと』（青春出版社）など、2013年までに多数の書籍を刊行している。これらの著書に込められた言葉や絵は、彼の他の活動と同様に、人々の心に優しく寄り添い、温かいメッセージを届けている。

現在も、全国各地での講演やセミナー活動、様々な媒体を通じた表現活動など、多方面で精力的な活動を続けている。言葉、絵、そして彼自身の存在そのものを媒体として、人々に希望や癒しを与え続けている稀有な表現者である。

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