気学

気学とは

気学は、園田真次郎が1924年に九星術を基に創始した日本発祥の占術です。3×3の魔方陣である洛書から生まれた紫白九星を使用し、様々な事柄の占いや、移動における方位の吉凶を判断します。紫白九星が主要な要素であるため、扱いやすい反面、その配列の神秘性から、現代日本で広く親しまれています。

歴史

気学は、園田真次郎によって1924年に創始されました。紫白九星を用いる九星術をベースとしており、気学が広まったため、九星術を気学と呼ぶこともあります。ただし、一部の気学家は、その起源を古代中国の陰陽五行説や、徳川家康のブレーンであった天海僧正の占術に遡らせる伝説を主張し、神秘性を強調することがあります。

また、占術の権威付けとして、「本来の占術は権力者によって秘匿されており、一般に知られているものは不正確である」という主張も、他の占術と同様に見られます。

概要

気学の基本要素は、3×3の魔方陣（洛書）と十二支です。魔方陣は1から9までの数字を一度ずつ使用しており、数秘術的な側面も持ち合わせています。魔方陣の中央に5が入る形を基本とし、各数字に方位と陰陽五行説に基づく意味を付与します。中央の数字を1から9まで入れ替えることで、様々な意味を読み取ります。

時間

九星は、魔方陣上の数字の循環に基づいて、年月日それぞれに割り当てられます。特に、生まれ年の九星に基づく年ごとの吉凶占いが人気です。各人の生まれ年の中宮の数字（本命星）が、その年において魔方陣のどの位置にあるかを判断し、その位置が持つ意味から運勢を判断します。本命星が魔方陣上を不規則に移動するように見えることから、神秘性が増し、説得力につながっています。

空間

方位の吉凶

気学のもう一つの重要な要素は、方位の吉凶です。洛書の魔方陣の周囲にある8つの方位と、易経説卦伝における八卦との対応を用いて、移動の方位の吉凶を判断します。日本人は移動の方位を気にする傾向が強く、気学の方位の吉凶は広く支持されています。

自身の本命星がその年に配当される方位や、洛書で中央を占める数字5（五黄土星）が配当される方位が特に重要視されます。

凶方位

気学では、以下のような方位が凶とされます。

五黄殺: その年の五黄土星のある方位。
暗剣殺: その年の五黄土星のある方位の反対側の方位（五黄土星の年には存在しません）。
本命殺: その年にその人の本命星のある方位（本命星が中央にある年には存在しません）。
本命的殺: その年にその人の本命星のある方位の反対側の方位。
歳破: その年の十二支の反対側の方位。
月破: その月の十二支の反対側の方位。
日破: その日の十二支の反対側の方位。
小児殺: 子供の健康に影響のあるとされる方位。その年の十二支とその月によって方位が定まります。

吉方位

吉方位は、本命星と魔方陣上の数字の配置、陰陽五行説との関係から判断されます。「相性の良い要素を持つ数が配置される方位」が、その人にとっての吉方位となります。

悪い方位への移動を避けるだけでなく、良い方位への移動によって運気を高めるために、移動先で土砂や水を採取し持ち帰る風習（お水取り、お砂取り）があります。

方位の定義

気学では、東西南北を磁北に基づいて定めることが多く、8つの方位の範囲は、東西南北の正方位を30度、北東、南東、南西、北西を各60度とすることが一般的です。これは、気学が十二支を部分的に扱うことから生じる矛盾を解消するための方策と考えられます。

家相との関係

気学は方位の吉凶判断を得意とするため、家相の考え方と重なる部分があります。同じ中国の形而上学的理論を基礎とするため、気学は家相判断と融合して語られることもあります。

エピソード

気学は、占断の基本要素が絞り込まれているため扱いやすく、吉凶の判断が分かりやすいのが特徴です。また、現代日本人に適度な神秘性を持つことから、実業家やスポーツ選手など、専門家以外の支持者も多く存在します。

代表的な種類

旅行
転居
水気法（お水採り）
お砂採り
* 家相

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