ハダニ

ハダニとは

ハダニは、節足動物門鋏角亜門クモ綱ダニ目ケダニ亜目ハダニ上科に属する動物の総称で、植物を食害するダニの仲間です。農業分野においては、重要な害虫として広く認識されています。一般的に網を生成し、産雄単為生殖を行うものが多く見られます。

名称について

ハダニという名称は、広義にはハダニ上科全体を指し、狭義にはハダニ科を指すことがあります。英語では「Spider mite」と呼ばれています。また、農業害虫として問題となる種には、赤色をしたものが多いため、「アカダニ」と呼ばれることもあります。

ハダニの特徴

ハダニの体長は0.3mmから0.8mm程度で、雌の方が雄よりも大きいです。大きな特徴として、吐糸管から糸を出す能力があります。ハダニは葉の上で一生を過ごすことが多く、時には何世代も同じ葉の上で生活することもあります。しかし、個体群密度が上昇したり、葉の状態が悪化すると、糸を使って分散することがあります。

ハダニは、卵から幼虫、第一静止期、第一若虫、第二静止期、第二若虫、第三静止期を経て成虫になります。雄は単相で、雌は未交尾でも雄を産むことが可能です。このため、巣の中では血縁度が高く、社会性を持つ種も見られます。雌は通常、交尾によって生まれますが、ニョゴツメハダニなど、一部の種では細胞内共生細菌の影響で、交尾なしに雌が生まれる産雌単為生殖を行います。

ハダニの防除

ハダニは体が小さく、水滴に弱いため、散水によって個体数を減らすことができます。しかし、効果的な防除には、ハダニ専用の殺ダニ剤を使用する必要があります。ハダニは世代交代が早いため、薬剤抵抗性を獲得しやすいという問題があります。そのため、総合的害虫管理の一環として、殺ダニ剤のローテーション散布や、カブリダニなどの天敵を利用した生物的防除が実用化されています。

まとめ

ハダニは、農業において大きな被害をもたらす害虫であり、その生態を理解し、適切な防除対策を講じることが重要です。薬剤抵抗性の獲得を防ぐためにも、単一の殺ダニ剤に頼らず、様々な防除方法を組み合わせた総合的な害虫管理が求められます。

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