ハッサン・シェイク・モハムド

ハッサン・シェイク・モハムド：ソマリア再建を担う政治家

ハッサン・シェイク・モハムド（Hassan Sheikh Mohamud、1955年11月29日 - ）は、ソマリアの政治家であり、現在2度目の大統領を務めています。彼はソマリア国立大学で工学を学び、教授として教鞭を執った経験も持ちます。

生い立ちと教育

1955年、ヒラーン州の農村ジャラクシで生まれたモハムドは、ハウィエのアブガール支族出身です。基礎教育とイスラームの素養を故郷で身につけました。1978年に首都モガディシュに移り、ソマリ国立大学で工学を学び、1981年に卒業。その後、同大学で教授となりました。1986年にはインドのボーパール大学（現バルカトゥラー大学）に移り、1988年に工学の修士号を取得しています。

内戦後の活動

1990年代のソマリア内戦中もモハムドはソマリアに留まり、NGOや国際連合組織、平和や開発プロジェクトのコンサルタントとして活動しました。1993年から1995年には、ユニセフの教育担当としてソマリア中部・南部で活動。1999年にはソマリ経営管理開発学校 (SIMAD) の設立に関わり、2010年には学部長に就任しています。また、ムスリム同胞団のソマリア支部であるアル・イスラーと共同で、教育・医療施設の建設や奨学金提供などの慈善事業にも従事しました。

政界への進出と大統領就任

大統領になる数年前からモハムドは政界に進出し、平和開発党 (PDP) を設立。2012年8月にはソマリア暫定議会の議員に選出されました。そして、2012年9月10日、ソマリア議会の大統領選挙で大統領に選出され、21年ぶりに国際的に認められた大統領が誕生しました。

就任演説でモハムドは、ソマリアの再建と国際社会との連携を表明。国際社会からも歓迎され、国連や各国首脳から祝辞が寄せられました。しかし、イスラーム武装勢力アル・シャバブは新大統領選出を快く思わず、モハムドが宿泊するホテルに自爆テロを仕掛けました。

2017年の大統領選挙では落選しましたが、2022年5月15日の大統領選挙で再び当選。同年5月23日に正式に大統領に就任しました。6月15日には、新首相にハムザ・アブディ・バーレを指名。2025年には、ソマリア国内のISIL拠点に対するアメリカの空爆を歓迎する意向を表明しました。

ハッサン・シェイク・モハムドは、教育者としての経験と国内外のネットワークを活かし、ソマリアの平和と安定、そして発展のために尽力しています。彼のリーダーシップの下、ソマリアがどのように変革していくのか、今後の動向が注目されます。

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